[ワシントン 17日 ロイター] - 米労働省が17日発表した12日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比1万1000件増の22万2000件と、市場予想の21万5000件を上回った。ただ、失業保険受給者総数は約45年ぶりの低水準まで改善し、労働市場のスラック(需給の緩み)がなくなってきていることを示唆した。

前週の失業保険申請件数は改定なしの21万1000件。

ムーディーズ・アナリティクス(ペンシルベニア州)のエコノミスト、キャサリン・アシャー氏は「米労働市場は最近の記憶の中で最も引き締まった状況に向かっている」と述べた。

労働市場は最大雇用状態に近いか、最大雇用に達しているとみなされている。失業率は17年半ぶりの低水準に近い3.9%まで低下しており、米連邦準備理事会(FRB)が年末までに達するとの見通しを示している水準である3.8%に迫っている。

労働省によると、メーン州とコロラド州は推計値だった。また、昨年にハリケーン「イルマ」と「マリア」によってインフラ設備が被害を受けた米領プエルトリコとバージン諸島では依然としてデータ処理業務が正常に戻っていないという。

週ごとの変動をならし情勢をより正確に反映するとされる4週移動平均は2750件減の21万3250件と、1969年12月以来の低水準だった。

今回の失業保険申請件数は、5月の雇用統計と調査期間が重なっている。申請件数の4週移動平均は4月から5月にかけての調査期間に1万8250件減少した。5月の雇用統計で就業者数が底堅く伸びることを示唆した。4月の雇用統計では景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月から16万4000人増加していた。3月は13万5000人増だった。雇用主が適切な人材を見つけることに苦戦している傾向がみられる中、就業者の伸びが鈍化している。

8日に発表された3月の求人件数は約660万件と、統計を開始した2000年12月以来の高水準を記録した。

2週間以上手当を受けている失業保険受給者の総数は、5日までの週で8万7000件減の170万7000件と、1973年12月以来、約45年ぶりの低水準だった。4週移動平均は3万9750件減の177万3750件と、こちらも1973年12月以来の低水準だった。受給者総数が減っていることは、労働市場の引き締まりが続いていることを示し、今年下半期に賃金の伸びが加速するとのエコノミストらの見方を後押しする。

*内容を追加します。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)