[16日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は16日、米連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標の見直しについて当局者内で「多くの支持」があると明らかにした。また、見直しの結果、FRBの現行のアプローチがほとんど変わらなくても、良い事例になるとの考えを示した。

同連銀主催の講演に先立ち、記者団に述べた。総裁は、FRBの2%のインフレ目標の変更を巡り、「少なくとも議論が望まれている」と指摘。「議題として取り上げられ、話し合われるべき課題はある。(議論の結果)すでにある枠組みを再確認することになったとしても、それはベストプラクティスだと思う」と述べた。

また、こうした見直しは、米経済が安定的に成長し、雇用水準も堅調な間に行うことが最善との考えを示した。

FRB内では、次期ニューヨーク連銀総裁に決まったサンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁を含め、複数の地区連銀総裁がインフレ目標の包括的な見直しの必要性を指摘している。

見直しが行われた場合、インフレ目標に幅を持たせる案や、物価水準目標の導入などが検討されることになる。物価水準目標導入案では、インフレが目標を下回る期間が続いた場合に同程度のオーバーシュートを容認することで、全体として物価水準を安定的に保つ。

これらの選択肢の中で明確な有力案はなく、見直しを支持する当局者の一部は、現行制度の変更には利点より問題の方が多い可能性があるとも指摘している。

ただ、ウィリアムズ総裁など複数の当局者は、カナダ中銀が採用している5年おきのインフレ目標見直しを支持する見方を示唆している。

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