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米中立金利、堅調な経済成長でも上昇しておらず=SF連銀総裁

Reuters
[ミネアポリス 15日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は15日、米経済の継続的な成長、および前向きな見通しは基調的な中立金利の上昇に何の役割も担っていないとの考えを示した。
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6月にNY連銀の総裁に就任予定のウィリアムズSF連銀総裁の講演です(講演原稿は①)。NY連銀総裁は、FRBのトップであるパウエル議長の右腕として、金融政策にかかわる重要なポジションです。

講演では、中立金利(nuetural rate)について熱く語っています(私の中立金利への情熱の10分の1でも伝われば講演は成功、とのこと)。

中立金利は、自然利子率、実質均衡金利、r*(アール・スター)などと呼ばれ、インフレ率(予想インフレ率)を加えた金利は、景気に対して引締めでも緩和でもない金利、と考えられています。
ウィリアムズ総裁は、自身の推計によると、中立金利は0.5%程度で、2%のインフレを加味した名目短期金利は2.5%程度だ、としており、あと3-4回の利上げで政策金利が中立金利に達する、としています(現在の政策金利は1.50-1.75%)。
中立金利はある種、潜在成長率と類似のものとも考えられ、持続的に経済が成長していく底力のようなものです。歴史的にみると、0.5%というのは非常に低いです。これまでのFRBの予想では、金融危機後に大きく低下した中立金利は、金融緩和によって上昇すると考えられてきましたが、その後、思ったよりも上昇していません。その理由を、人口動態の変化による労働力総数の低下、生産性の低下、国債などの安全資産需要の増加と、講演では指摘しています。
これらは特に新しい話ではないですが、先進国が金融危機前と同様に、当たり前のように3%、4%で成長できる世界に戻るのか、ニューノーマルになるのかは、引き続き重要な論点です。金融政策や財政政策も経済の底力によって政策対応が異なりますので、熱く語っています(正常化後の金融政策の考え方にも大きな影響を与えると思います)。


①講演原文(英語、PDF)
http://bit.ly/2KqyQOB

②講演後の質疑応答の記事はこちら
https://newspicks.com/news/3029403
FRBの緩やかは利上げシナリオをサポートする分析ですが、もともと中立金利は正確な実態が分からないもの。もし中立金利が上昇していた場合、今後の緩やかな利上げペースでは「正常化」ではなく「緩和継続」になってしまい、バブルの芽を育てることになります。
実際に計算したことがある人ならわかりますが、中立金利も、その前提となる潜在成長率も計算する人によって異なり、恣意的にコントロールできないこともありません。このため、計算された中立金利も潜在成長率も実際に合っているかどうかはよくわからないんですよね。
中立金利据え置き、名目金利がこれを超えて上昇という構図が続く限りにおいて金融政策は正常化ではなく「引き締め」を示唆する状況が続くことになります。