銀行の未来を悲観する若手とAIの夢だけ語る経営者
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見出しがすべてを言い当てている記事です。新聞社と一緒にされたら、メガバンクは苦笑するしかないと思いますが、私たちメディアもこれからの姿を若い人たちに説明できずにいます。その大きな理由のひとつが5Gの世界を想像できないからです。3Gの世界がスマホをつくりSNSを生みました。4Gはそれをさらに進化させ、動画視聴を当たり前にし、ユーチャーバーたちを輩出、ネットフリックスやDAZNの登場を可能にしました。5Gの世界は既存メディアのコンテンツの価値を飛躍的に高めてくれると私は期待しています。もし、それを言ったら若い記者には「AIだけを語る経営者」に見えるだろうと思います。
今日本のメガバンクにおいて起こっているデジタル革新のほとんどはAIとは無関係です。単にIT化であり、それですらなくて時代に合致した業務合理化がほとんどです。
グローバルバンキングにおいていま最もAIを使っているのはAMLすなわちマネーロンダリング対策と、KYCすなわち口座開設審査、そしてFales Alertシステムすなわちリスク予測・管理です。そして日本ではそれらはほぼ全くと言って良いほど実際の業務には使われていません。
シンガポールのメガバンクは全て使っています。米国も無論。
AIという言葉を使って思考停止になってはいけない。議論も批判も、悲観も楽観も自らの責任においてやることは勝手でしょうが正しい現状認識によって立つべきであり、AIという言葉はそれを邪魔する事が少なくありません。米国の専門紙の記事を読むと、極端なAI悲観論は銀行の新卒採用は理系だけで、数学などの素養のない文系の人はいらなくなると主張している。ヒューマン・コミュニケーション力の必要な分野にもAIが入り、支店行員の過半はクビになるという。楽観論はAIが入っても銀行業界の雇用維持力はさして変わらないと予想している。
僕が就職活動していた大昔、某都市銀行からウチは理系の大学生は採用しないと門前払いされた記憶がある。時代は変わりますね。