【直言】新時代のヒットは、「メディア」から生まれる

2018/5/6

ようやく来た「新時代」

音楽は、常にデジタル時代の最先端を走ってきた。
1980年代にレコードからCDへと、音源データがデジタル化し、1990年代後半には、音楽ファイル共有ソフトの台頭で、音楽がインターネットを通じて世界で無料で共有されると、既存の音楽産業は壊滅寸前に陥った。
だが、2000年代に入ると、アップルのiTunes Storeの登場で、音楽ファイルをダウンロードで聴く文化へと移り変わり、2010年代はスポティファイの台頭で、定額制のストリーミングサービスが一気に世界を席巻した。
そして、ストリーミングの台頭によって、世界では、音楽産業は再び成長に転じ、約20年ぶりの「復活」を謳歌し始めている。
とはいえ、CDが根強い人気を誇った日本では、まだストリーミングも完全に定着したとはいえず、音楽業界もまだまだビジネスモデルの変化に対応できていない、というのが紛れもない現状だろう。
だが、ここにきて、「音楽新時代」の萌芽は確実に生まれ始めたようだ。
NewsPicks編集部では、デジタル時代の音楽産業に、新たなアプローチで挑み、新世代のモデルを作り始めているキーマン2人による対談を敢行した。TuneCoreの野田威一郎氏と、luteの五十嵐弘彦氏は、次なるヒットのカギとして「メディア」を挙げている。
CDから、ダウンロード、そしてストリーミングへと、次々と形を変え続ける音楽業界は次に何を契機に復活へと向かうのか、2人に本音を語ってもらった(全3回)。

メジャーの「総量」を超えた