【新】自動車から電気まで。産業を密かに支える「触媒」とは
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注目のコメント
まさか、newspicksで触媒の特集があるとは。びっくりです。
空気読まずにコメントしてみます。
僕が触媒を説明せよ、と聞かれたら、「反応の前後で変化せずに、反応の速度を変えることができるもの」と説明します。入山先生は、「それ自身は変化せず」とおっしゃっていますが、実際は、反応の真っ最中には別の構造になっていることが多いです。
何が言いたいか、を説明するために、触媒って、どんな働きをしているか?を書いてみます。
化合物Aと化合物Bが反応して、化合物Pに変わる反応を考えます。
AとBが反応するには、反応するだけのエネルギーが必要です。AとBが出会って、Pになるには、一緒に壁を超える必要があるんですが、その壁を超えるのが大変なわけです。
すごい身近な(?)例だと、窒素(N2)と、水素(H2)が反応すると、アンモニア(NH3)ができますが、単純にN2とH2をその辺で混ぜるだけでは、何も起きません。壁がめちゃくちゃ高いからです。
ここで触媒「C」の出番です。Cは、いつもと違う、別の壁を超えるルートを通らせてくれる働きをします。壁を低くしているイメージです。
Cは、AとBにちょっとくっついて、「A+B+C」”みたいな”状態を作って、別ルートでAとBをPに変えます。そして、Cは元に戻ります。
もとに戻るのが大事な理由は、繰り返し使えるから、です。
繰り返し使えることによって、ちょっとの量(それこそ、化学屋は「触媒量」という表現を使います)で、たくさんのA、BをPに変えることができるわけです。
AとBと同じだけの量が必要だとしたら、排ガス処理用に、どんだけの処理剤を車に積んで置かなければならないんだ、という話になりますが、それを解消するわけですね。
うーん、とりあえず、今日はこの辺で。
変なこと言っていれば、きっと誰かが指摘してくれるはず。
あと、触媒の話しをするのに、不均一系と均一系の区別をせずに議論しちゃうのはちょっと気持ち悪いけど、まあ、いいか。
[追記]
田井さん、入山先生、ありがとうございます。恐縮です。
化学の世界で非常に重要な役割を果たしている触媒のことをみなさんに知ってもらえる機会があるなんて!とうれしくなりました。
連載、楽しみにしています!!触媒はコモディティ分野では日本触媒がグローバルニッチトップにいるなど、総じて日本が強いですが、より先端のエネルギーキャリアについては産業化の手前の事業化、その手前の研究開発期間であり、アカデミックや税金で技術孵化している時期です。
日本は情報通信は完全に米国はじめ諸外国の後追いですが、素形材では世界をリードしています。
基礎技術を税金とアカデミックで孵化し、その上に産業集積を作る、という王道を次世代の金脈である最エネの根幹技術の一つであるエネルギーキャリアにおいて花開くべく期待しております。ナビゲーター(?)の入山章栄です。各分野の第一線の学者・研究者にお会いして、その知の最前線のキワのキワを伺おうというこの連載、第5回目のゲストは触媒化学のスター研究者、早稲田大学の関根先生です。
触媒はメディアでも日が当たりにくい印象ですが、その応用範囲・我々の社会に与える影響は非常に大きく、ビジネス・産業としても極めて重要な分野です。蛯原さんがコメントしてくださっているように、日本企業がこれからも競争力を発揮しうる分野でもあります。実際、個社名は空かせないのですが、化学業界、自動車業界など、実に多様な産業の大企業が、関根先生の研究室と共同研究をされています。
何より、触媒技術を使って関根先生が描いている未来が素晴らしい。とても夢のある話です。「触媒ってそもそも何?」という方もいらっしゃると思いますが、ぜひこの機会に本連載を通じて、触媒研究の世界を覗いていただければ幸いです!
takao kiyotakaさん< コメントありがとうございます!たいへん参考になります。