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注目のコメント
北朝鮮が米国に承認され、韓国を武力で占領されることをあきらめ、経済発展を始める、というのは、日本にとって悪いこととは限りません。少なくとも、米国が北朝鮮を武力攻撃して体制を滅ぼす、というより利益が大きい可能性はおおいにあります。たとえ日本が蚊帳の外で進んでも、日本の利益にならないとはいえません。
平和条約というのは技術的には正確ではなくて、まず米国による国家承認、それから不可侵条約的なものを結びたいというのが北朝鮮側の希望のはずです。当初から米国は北朝鮮を国家として承認したことはなく、1950年の朝鮮戦争は、宣戦が通達された国家間の戦争ではなく、韓国の要請を受けた国連軍による北朝鮮勢力制圧のための軍事力行使でした。中国の介入も義勇兵の北朝鮮への参加でした。国家間の交戦は生じていないため、平和条約で交戦を終結するという手続きは、技術的には成り立ちません。国連軍も米国のみならず、欧米諸国、タイ、フィリピン、トルコ、エチオピア等々を含む22カ国で、国連軍の解散は国連での手続きの問題になります。
北朝鮮が希望するのはあくまで米国との実質的な「平和条約」、まず国家としての承認、それから体制保障の担保となりうる米国からの譲歩でしょう。米国大使館の開設、IMFや世界銀行、アジア開発銀行を含む様々な国際機関への参加により、経済発展政策につながる内容も希望しているでしょう。
現代では公式には国家間の戦争は行われえないのが当然とされているので、戦前のような相互不可侵条約というのは結ばれません。北朝鮮は具体的な米国側の譲歩として在韓米軍の撤退を希望してきましたが、これは武力南進、北朝鮮による統一に利用されるのではないかと疑われてきました。在韓米軍の撤退なしの米国による国家承認は、北朝鮮による一方的な統一を遠ざけることになります。それでも、北朝鮮の現体制の保障と経済発展の足がかりを得ることが優先される、という判断に変化したのでしょう。南北首脳会談に向けた協議の中で、急浮上した「平和条約」。核問題をめぐる協議で、アメリカとの国交正常化+朝鮮戦争を終結させる平和条約が北朝鮮の最終目標とされて来ましたが、この段階で取りざたされるのはかなり唐突感があります。
実際に平和条約までこぎつけるには長い交渉が待ち受けますが、現時点におけるポイントをまとめた記事です。