武田がシャイアーへの買収提示額引き上げ、1株47ポンド
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注目のコメント
焦ってるのかなと素人目にも映る。。社外役員のアドバイス機能とモニタリング機能はトレードオフで、モニタリングが機能してないとm&aの勝率が有意に低いなんて示す実証があったような…ちなみに株式市場の評価は続落続きです。
武田、Shireへの買収提示を引き上げ。合計46.5ポンド→47.0ポンド、内訳は現金17.75ポンド→21ポンド、新株28.75ポンド→26ポンドと、現金比率を高めた。
①で、太田さん(ユーザベース執行役員で、約15年テック分野で投資銀行業務をしてきたプロフェッショナルです)がコメントしているが、英国は独特な規制がある。興味ある方は「イギリス 買収 パネル」などでググってみてほしい。②あたりが2009年の資料ではあるが説明としては比較的平易。
①https://newspicks.com/news/2970728
②https://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/09070701.html俄然盛り上がってきた武田によるシャイアー買収。
時価総額3.8兆円の武田が身の丈を超えた7兆円でシャイアーを飲み込もうということで「いくらなんでもあんまりでは?おいおい」と心配されているのか、武田の株価は冴えないものになっています。
事業が生み出す成果(EBITDA)の何倍の事業価値(EV)を付けているかを示すEV/EBITDA倍率が買収金額の値ごろ感を判断するときによく使われるわけです。
日経の記事のよれば、本件では12倍とのこと。上場している製薬業界の株式市場での評価から逆算されるEV/EBITDA倍率がそもそも10倍を超えていますから、買収金額そのものに割高感はまったくありません。
その意味では、よく見られる「高値掴み」という報道の指摘はまったく当たらないと思います。ソフトバンクによるアームホールディングスの買収は50倍ですから地味にさえ思えてくるレベルです。
一方、武田は本件にあたって、新株発行による4兆円の資金調達を検討しているとのこと。一般的に、新株発行による市場での調達は、どんなに頑張っても時価総額の3割が限度とされています。
ということで、時価総額を上回る新株発行をやりますと言われると、もう1社会社をつくるような、アクロバティックな曲芸でも見せられるかのようなショックを市場は受けるわけです。
海外メジャーとくらべて国内で小さくまとまっている日本の製薬業界。何もやらなければ国内でくすぶるなと怒られるし、巨額買収を仕掛けたら仕掛けたで不安だと株を売り浴びせられる。。。
外野で観戦しているだけの我々はお気楽ですが、製薬業界の経営者というのは本当に大変だなぁと感じ入ります。
個人的には心の中で「がんばれ!」と応援しています♪