ダイソー、利益1円でもメーカーが日参する「規模の力」の凄まじさ - 大創産業会長 矢野博丈
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注目のコメント
在庫についての言及が興味深い。
100円ショップは、記事にもあるようにダイソーが作ってきた業態。そのなかで在庫についての考え方、そして品揃えが強みだった。「在庫は宝」という言葉が出ているが、いつかは売れるということを前提に在庫を持つことを厭わず、規模で単価を下げた。
ただここ10年ほどはセリアの勢いが強く、ダイソーは業態改革という点では後追いが否めない。そしてセリアの勢いを支えたのはPOSシステムの導入含めた在庫マネジメント。
ダイソーは全部の商品が100円だし、上記のような在庫の考え方だったので、POSを入れていなかった。
セリアは上場で調達した資金でPOSを入れて、何が売れ筋かを把握するようにした。そしてそれをメーカーとも共有し、売れ筋に応じて追加の生産をできるようにした。同じ量を売るのに在庫少なく売れれば、資金繰りは楽になるから出店資金に出来るし、あとは死に筋を把握できれば、棚も有効活用できる。ダイソーは在庫を厭わないので、最初の発注は大量でもその後は発注がなかったり、あとは在庫切れしてからの発注になりがちだったと思う(商機の逸失)。
また店舗ごとに何が売れているかを確認できるようになって、これはもっと売れるはずという商品の陳列替えや、それでも売れなければ他店と強制的に在庫替えをするなどもシステマチックにするようにした。
また店舗の雰囲気もダイソーは暗かったが、セリアは明るくして、その後ダイソーが追随した。
ダイソーが作った業態だが、セリアがダイソーが作った常識にとらわれないでアップデートしたのが現状。
ちなみに、100円ショップの商品はプラスチックを大量利用。なので、原油高は業績にマイナス。あとは海外で作っている商品も少なくないので、円安も。
為替はともかく、原油高が足元進んでいることは、今後業績影響が出てくる可能性。"「ダイソーは不良在庫を抱えてつぶれる」と噂されてきたが、今でも私は在庫こそが宝だと信じている。"
この哲学は競合からしたら恐ろしいですね。仕入れと販売は両輪だということをまざまざと感じさせられました自叙伝的な本を読んだことがあるが勉強になった。そしてこの格言も→ 結局、40年間、経営計画書なるものを作らないまま今日まで来た。作らないのではなく、作れなかったのだ。売り上げというのはお客さまが作るものであって、われわれが勝手に決められるものではない。なまじ経営計画なんかを作ると、それを達成するために無理をすることになる。結果的にお客さまからソッポを向かれる可能性がある。その思いは、まだ規模が小さかった当時から今に至るまで変わっていない。