【核心】世界が牛肉に向かう「本当の理由」を教えよう

2018/4/20
ハンバーガーの要ともいえる「パティ」。マクドナルドのパティ製造を一手に担っているのが、食肉の加工・販売会社スターゼンだ。
今までその関係性が表に出ることは少なかったが、2014年の期限切れ鶏肉問題などを経て「食の安全」がフォーカスされるようになってからは、積極的に公表されるようになった。
食肉の加工だけでなく、生産飼育・調達から販売まで担う「食肉の巨人」。そんな彼らに、実は商社も熱い視線を送っている。
食肉業界を巡っては、三菱商事が伊藤ハム米久ホールディングス、伊藤忠商事がプリマハムの、それぞれ筆頭株主だ。
そして、スターゼンについては、古くから資本関係にある三井物産が、2016年5月に出資比率を引き上げて筆頭株主となった。
大手商社が食肉に力を入れる背景には、世界の中間所得層の増加に伴う、「肉」需要の高まりがある。
興味深いのは、三井物産が昨年、食料を扱う食料本部において、栄養素別に5部門に組織を整理したこと。
「タンパク質(肉・魚など)」「食糧ネットワーク(餌など)」「脂質・主食(米など)」「糖質(砂糖など)」「バリュー素材(コーヒーなど嗜好品、果汁、乳製品など)」の5つだ。
そして、畜水産物はこれまで「一室」にすぎなかったのが、畜水産事業「部」へと格上げされている。飼料などの「穀物」に加え、肉そのものという「タンパク質」も、より力を入れて扱っていくことになったわけだ。
そんな三井物産という強力な後ろ盾を得た「食肉の巨人」は、世界の肉トレンドをどう捉え、攻略していくのか。スターゼンにじっくり話を聞いた。