エイベックスの分岐点、家を担保に大勝負

2018/7/19

ゴミ箱を漁る

貸レコード店のビジネスのかたわらで、僕は自分で選んだダンスミュージックの輸入CDをポップの解説文つきで、全国の貸レコード店に卸すというビジネスを始めました。
ある人が、「これは儲かるので会社にしないか」と言って、できたのがエイベックスです。卸先は、30店から、すぐに200店、6000店と膨らんでいきました。
数が多くなってくると、困ったのが仕入先です。だって、それまでは30枚とかだったから、輸入CDを扱っているレコード店へ行って、お客のふりして定価で買っていたわけです。
まあ、30枚も同じCD買う客なんて普通はいないんだけど。向こうも、僕がなんか商売しているなってうすうす気がついていて、僕が好きそうなCDだと、なぜか30枚ちゃんと在庫があるんだよね。
でも、何千枚となると、さすがに在庫がないから、レコード店で買うというわけにはいかない。僕も輸入レコードの流通がどうなっているかなんて知らなかったから、どこから仕入れたらいいのかわからない。
レコード店に「どこから仕入れているんですか?」って聞いたって教えてくれるわけがない。
それで、レコード店の裏に回って、ゴミ箱を漁りました。そうしたら、宅配便の送り状が出てくる。あるいは、裏に段ボール箱が山積みに放置されている。それに送り状が貼り付けてある。
それで発送元の社名を暗記して、会社に帰って、その会社を調べて連絡をとって交渉するということをやっていました。