【新】政治家・野田聖子の「甘くない人生」

2018/6/2

16歳、アメリカに留学

【野田聖子】お嬢様の米国ハイスクール留学、最優秀学生賞受賞
ミシガン州ジョーンズヴィル・ハイスクールに留学したのは16歳。でも飛び級で向こうの高校の3年に編入したので、1年後にアメリカのハイスクールを卒業したときはまだ17歳でした。
このハイスクールでは、オナー(最優秀学生)賞を受賞することができました。卒業式でもらったトロフィーは、いまも私の執務室に飾ってあります。

就職試験にことごとく落ちる

【野田聖子】JALの内定取り消し、帝国ホテルに就職
就職試験にはことごとく落ちました。
それでも日本航空の地上勤務に内々定が決まり、「青田買いしてもらった」と喜んでいました。
ところが大学4年の夏休み直前に、それが取り消されてしまったのです。
航空会社ならば自分の英語も生かせるし、海外にも行けるだろうと思っていたのに……。
これが私の人生において、「やっぱり世の中、そんなに甘くないな」と痛感した最初の出来事だったかもしれません。

25歳、史上最年少議員

【野田聖子】25歳、史上最年少議員の誕生
史上最年少(当時)の議員誕生ということで、相当注目を浴びました。
「あなたが存在することが、政治が変わるということなんだ」と言ってくれた。つまり男しかいない議会に、女である私がいるということが変化なのだと。
まさに「お飾り」ですが、そう言われて悔しいなら、その分一生懸命勉強するしかないと自分に言い聞かせていました。

セクハラの嵐

【野田聖子】セクハラの嵐。苦汁をなめた3年半の落選生活
「とほほ」だったのがセクハラです。
私が落選生活を送っていたのは29歳から32歳の間で、このころの私を見ていただくとわかるけれど、今とは大違いでとてもかわいいんです。あのときに戻りたいなといつも思うほど。
男性からすると格好のいじくりの材料だったのでしょう。

竹下登先生の教え

【野田聖子】小理屈ではなく現実の数字を覚えよ
大先輩の竹下登先生と少しお話しする機会があり、こんな言葉をかけていただいたことがあります。
「悪名は無名に勝る」
つまり「残念ながら政治の世界では女性はまだまだマイノリティ。でもその分、目立つ。それならその知名度を利用しなさい」という忠告でした。
「勉強しなさい。変な小理屈を覚えるんじゃなくて、現実の数字を覚えなさい」
とも言われました。

郵政行政を学び倒す

【野田聖子】37歳、郵政大臣になる
「女はダメだ。そういうところで政務次官をやっても、おもしろおかしいで終わってしまう」
つまり人寄せパンダになるだけだというわけです。結果として郵政政務次官になりました。
「この際、郵政を学び倒そう」
と決めて、ずっと郵政省にこもっていました。すると官僚もどんどん来るようになる。自分に専門性をつけるいい機会でした。

ひとりぼっちのクリスマスイブ

【野田聖子】華やかな初入閣。ひとりぼっちのクリスマスイブ
郵政大臣を務めていた38歳のクリスマスイブの夜。私は、大臣折衝が早く終わり、急にポッカリと時間が空いてしまったのです。
家に帰っても誰もいない。インスタントラーメンでもつくろうかと袋に手を伸ばしたけれど、いくらなんでもイブにそれはわびしい。
結局一人で庶民的なお好み焼き屋さんに入ったものの、そこも学生カップルでいっぱい。
「私って、ひとりぼっちだなあ」と思うと泣けてきました。

40歳、不妊治療スタート

【野田聖子】40歳で事実婚、不妊治療スタート
私が不妊治療をしていることを、あえて言おうと思いました。
まず誰かが「私は不妊治療をしていますよ」と声を上げれば、「私も」「うちも」と言いやすくなる。その結果、不妊治療についての正しい知識が広まれば、恥ずかしいものではなくなるかもしれない。
誰もこのことで傷つく人がいてはいけないのです。
そういうわけで、世間からはいろいろなことを言われながらも、治療に取り組んでいました。
しかし体外受精を繰り返した末、ようやく授かった命を私は流産してしまいます。2004年2月のことでした。

男性マスコミにウンザリ

【野田聖子】マスコミが面白おかしく書き立てる「女の戦い」
私は「造反組」の一人として自民党を追われ、無所属で選挙を戦うことになってしまいました。
私の選挙区に自民党が「刺客」として送り込んだ公認候補は、佐藤ゆかりさんでした。
マスコミは「女の戦い」と称して面白おかしく書き立てました。ただでさえ私が嫌なのは、「専業主婦VS働く主婦」とか、「産む人VS産まない人」とか、完全に男性目線で作られた対立軸で私たち女性が傷つけ合うことです。
私は女性同士助け合わなければいけないと思っているのに、男性が描いたシナリオで対立しているかのように扱われるのにはウンザリしました。

日本の土台を変えなくちゃ

【最終話・野田聖子】少子化は女の問題じゃない
いま育児の担当は主に夫で、私のもっぱらの仕事は、夫への感謝の姿勢を言葉や態度でどう表すかということ。ちょっと男女逆転みたいな感じです。
だから政治家としての私の取り柄は、母親の気持ちも、育児ができない父親の気持ちもわかるところ。
父親も決して育児をしたくないわけじゃなくて、やらせてくれない社会だということが実感としてわかる。
これからの私の大きなテーマは、まず、日本の土台を変えなくちゃいけないということです。
連載「イノベーターズ・ライフ」、本日、第1話を公開します。
(予告編構成:上田真緒、本編構成:長山清子、撮影:遠藤素子、デザイン:今村 徹)