【平成史】一人の「悪人」に、全証券会社が振り回された
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注目のコメント
証券業界を震撼させた損失補填問題の露顕が、なんと北海道新聞のスクープだったというのは初めて知りました。
本記事では、証券業界の総会屋事案にフォーカスしていますが、経営者を自殺に追い込んだほどの第一勧業銀行の苦難の歴史が始まったのも、本件だと思うと微かな事象が世界を揺るがす潜在性を持っていることを再認識させられます。「企業不祥事で暗躍した“総会屋” バブル裏面史」というシリーズはなかなか読み応えがあった。表も裏もひっくるめて、平成株バブル、不動産バブルの実態を語り継いでいくことは、とても大切なことだと思う。私も、自分の金融論の授業では、日米欧のバブル生成と崩壊を丁寧にたどるようにしている。
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バブル経済華やかなりしころ、資産価格は上がっても、なかなかCPIは上がらなかった。統計にも経済構造にも原因があったが、一般物価が上がらないのであれば、当時のマクロ経済学的には、経済に深刻な問題はなく、むしろ、日本経済の強さの表れだという論調が強かった。
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しかし、一般物価が上がらなくても、資産価格が高騰する状況においては、金融機関が様々な不正に手を染め、不健全な経営が行われる土壌が育ってしまう。それを当時の規制当局は防ぎきれなかった。バブル崩壊したことだけが悪いように語る人がいるが、バブル生成期に何が行われていたかが問題である。
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時代は移り、今は金融機関経営におけるリスク管理体制は相当しっかりしてきた。だからこそ、大幅な金融緩和が続いても、金融機関発の不健全な経済取引は、それほどは拡大していない。とはいえ、問題は姿かたちを変えてまた現れるだろう。金融機関と規制当局が過去の経験に何を学んだか、それがちゃんと語り継がれているかが問われる局面だと思う。後に日本版金融ビッグバンに繋がり、98年に証取法改正され(手数料自由化され)私らネット証券が誕生し、株券電子化はじめ現在で言うFintech注力と言う事になりますね。