【平成史】デフレとともにやってきた「政治と裏社会」の癒着

2018/4/9
バブル期まで日本の経済成長の裏側で暗躍した総会屋ら、裏社会の住人たちと大企業の関係をたどった連載「バブル裏面史」。今回は、平成に入り、日本経済が急速に停滞していくなかでの汚職と暗躍を、「平成裏面史」としてお届けする。

「改革派」政治家の死

バブル崩壊によって経済の歯車の逆回転が本格化し始めた20年前の1998年、この年の2月19日、自民党若手の改革派として国民的な人気を集め、将来を有望視されていた国会議員が東京・品川のホテルの室内で首をつって自殺した。
新井将敬。
今となっては知る人も少なくなってきているが、衆院選に当選した平成の始めごろから、テレビの政治討論番組などに数多く出演し、端正なマスクと歯に衣着せぬ舌鋒鋭い論客ぶりが際立つ存在だった。
新井が人気を得た背景は、若手改革派政治家として頭角を現した平成初頭の金権腐敗にまみれた惨憺たる政界の実情とは無縁ではない。