世界の主導権をめぐる「米中テクノロジー冷戦」が始まった

2018/4/12

テクノロジーで冷え込む関係

世界で最先端テクノロジーの覇権をめぐるアメリカと中国の「冷戦」が、泥仕合に発展している。

トランプ米政権は3月、中国政府がアメリカ企業の技術を盗んでいると非難。そんな中国を懲らしめるべく、600億ドル相当の中国製品に関税を課すほか、中国企業によるアメリカへの投資を制限することを発表した。

これを受けて中国政府は、アメリカからの輸入品30億ドル相当に対抗関税を課す計画を発表、反撃に出た。

アメリカと中国の間の新たなこの「冷戦」が、テクノロジーの領域を分断しつつある。

コメント

注目のコメント

• 陳 言

  日本企業（中国）研究院 執行院長

  ・2018年04月12日

  中国人なので中国のために弁解する気はありません。
  かつて日米貿易戦争のときに日本に留学しました。日本企業はものすごくアメリカから技術を「盗んでいる」と言われている時代でした。富士通はやられていたし、東芝もそうでした。
  いよいろアメリカのコンピューター企業は強くなり、軍需産業はもっと振興するだろうと思ったが、今はパソコン関連のハードウェアを作っている米国企業はあまりありません。日本企業がアメリカからコンピューター関連の技術を盗んでいるという話もありません。
  中国はある分野で技術が飛躍的に発展することを特徴としています。例えばビッグデータの面では、圧倒的な数があり、とてもアメリカでは追随を許せいないです。人口大国であり、しかもモノづくりの国だから、どうしてもそのようなデータが出ます。
  
  今回のアメリカが中国に対して攻撃を仕掛けてきたのはほとんど「メイドインチャイナ2025」で打ち出しているハイテク分野です。
  徹底的に中国の技術発展を阻害する狙いははっきり見えます。
  
  1980年代、アメリカは中国にコンピューター関連の技術、設備を一つさえも輸出してはいけないという政策を取りました。
  それで中国にはコンピューターをつくらせ、今はほとんどのところで中国製のコンピューターのほうが優れていると思います。
  
  今回のテクノロジー冷戦は、どんな結果が出るでしょうね。
  中国は簡単に負けるとはあまり感じていません。
• 横田 孝

  The Japan Times 共同編集局長/Co-Managing Editor

  ・2018年04月12日

  　AIなどの技術で世界トップを目指す中国に対して、企業や人材、知的財産などの形での技術流出を防ごうとするアメリカ。テクノロジーの地政学への影響がますます強まる時代で、アメリカと中国の「テクノロジー冷戦」というキーワードがアメリカを中心に急浮上しています。
  ただ、中国が国家戦略としてテクノロジーにテコ入れする一方で、トランプ政権はオバマ前政権と比べてイノベーションの重要性を強調していないだけに、アメリカの優位が崩れるのも時間の問題かもしれません。
• 任 宜

  SmartNews Inc. 取締役CSO

  ・2018年04月12日

  人も資本も自由に国をどんどん移動できる時代です。中国系企業もニューヨークで上場してアメリカ人がその株を買っています。いつになったら国ごとの技術競争なんていう効率の悪い事を止めるのでしょうか。。。