【カルチャー】なぜ本離れなのに「独立書店」が激増しているのか
コメント
選択しているユーザー
台湾シリーズ一回目はカルチャーで「独立書店」を取り上げました。ネット書店の台頭と本離れは、台湾でも日本でも同じ。ただ、違うのは、若い人たちの間で「独立書店」がかなりの人気を集めています。そこに行けば、個性的な本がそろっていて、コーヒーがあってPCで作業をしながら本も手にとって読むことも買うこともできる。夜になれば、一流の作家や専門家によるサロンが開かれる。「本とコーヒーとサロン」という三位一体のアクティブな知的拠点として、書店が生命力を取り戻している姿をレポートしています。
注目のコメント
台湾大学や台北大学のような大学近辺をはじめ、台湾にはこういう喫茶店を併設した書店とか、カルチャー・スクールのような場所がとても多いですね。台湾が日本と異なるところの一つは、市民社会が広範で社会に根づいており力強いこと、市民社会と結びついた文化活動の活発さであると思います。この市民社会のあり方は、種々の仏教団体やキリスト教団体のような、宗教組織が非常に活発であることとも関係しています。市民社会はまた、民進党が台頭してきて、現在与党であることの力の源でもあります。
台湾は、中華文明と、台湾の現地社会、東南アジア的な社会のハイブリッドな社会です。中国的な教育熱心さも持っており、読書の習慣が広く根づいた社会です。読書の習慣ばかりは、それがなかった社会に根づかせるには、三十年や五十年程度ではなかなかできないことで、千年以上の文明の蓄積がものをいいます。ハイブリッドであることの強みを生かして、活用しようとしているあたりは、シンガポールにも似ています。本屋はあまり儲かりません。しかし、本屋の持つ「知のプラットフォーム」としての力は圧倒的。人を引き付ける力がすごい。日本でも新時代の本屋を創る余地は、まだまだあると思います(日本のトップランナーは下北沢のB&Bですね)。
台湾同様、若者による”書店ブーム”が起きているのが韓国。内沼晋太郎さんらによる『本の未来を探す旅 ソウル』はおすすめです。