マーケティングの王道を外す、新しい小売のカタチ

2018/3/19
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたちが、時代を切り取るテーマについて見解を述べる連載「イノベーターズ・トーク」。
第129回(全5回)は、ストライプインターナショナル社長石川康晴氏が登場する。
23歳で起業し、アース ミュージック&エコロジーなど20以上のアパレルブランドを育て、現在は子ども服の通販サイトや渋谷にオープン予定のホテルhotel koéを立ち上げるなど、事業ドメインは広がる一方だ。
2018年2月にはソフトバンクと合弁で「ストライプデパートメント」を設立し、ECデパート事業に参入したことで話題を呼んだ。
【独占】ストライプ石川社長が語る「ZOZO超えデパート」の真相
そんな石川氏は、「斜陽産業にこそ芽がある」「『テクノロジー偏差値が低い』小売こそ、チャンスがある」と力強く語る。その理由とは? 
そして、トークはポスト・オムニチャンネルともいえる石川社長が目指す「ニューリテール戦略論」へ、さらには女性が多い小売業ならではの働き方改革の実行法、AI時代を見据えた人材育成戦略などへと発展してゆく。
最終回では、出版やアパレルなど今まさに斜陽産業にいる人の悩みに答える。石川社長の実践的経営論、人材論が詰まった全5回だ。

ドメインはライフスタイル

──本日は、小売の最先端企業として、石川さんからしか聞けない話をたっぷり伺いたいと思います。伺いたいのは大きく3つ。ストライプの未来戦略と組織戦略、そして、小売業界全体の未来について。さっそく、一つめの未来戦略ですが、アパレルを基軸にしながらホテル、美容、食、映画まで多分野に事業を広げる中で、自社の事業ドメインをどうとらえていますか?
23歳で起業して、当初の事業ドメインは「アパレル」だったんですけど、3年前からやりたいことが収まり切らなくなってきて、「ライフスタイル」という事業ドメインに変えて。それでも収まり切らなくなり、「ライフスタイル&テクノロジー」に。なので、“衣食住、文化、テック”が、現在の僕たちの事業ドメインですね。