高城剛はなぜ「次世代の瞑想」に注目するのか

2018/3/17
3月3日、NewsPicksアカデミアでは高城剛氏が登壇する体験型プログラム「SOUND MEDITATION GATHERING Vol.1」を共同開催した。
このプログラムでは、複合的な周波数の音が鳴る空間で瞑想やヨガを行うことで、脳のパフォーマンスが最大限に発揮する状態を体験し、真にリラックスすることを目的とする。
数年来、「新しいマインドフルネス」の形を探求してきた高城氏が、最先端の科学的な知見に基づいて提供した本プログラムには、約500名の来場者が詰め掛けた。今回、その様子をレポートする。

太古の感覚を呼び起こす

来場者には受付時に「CBDオイル」という、瞑想とヨガの効果を増幅させる特殊なカプセルが渡された。カプセルを飲み、ヨガマットの上でセッションの開始を待つ来場者たち。
開始時刻を迎えた。映像と音楽が鳴り響くなか、高城氏が壇上に登場する。
高城 高城剛です。今日はみなさんと一緒に「新しい感覚の扉」を開いていきたいと思います。
実はわれわれには「失われてしまった能力」があります。その一つが、いまより遥かに強力だった視力と聴力です。太古の人類の視力は6.0~7.0くらいあったと言われており、聴力も現代人が聞こえなくなってしまった「本来は聞こえるはずの音」を微妙に聞き分けることができたそうです。
太古の時代では、夜は真っ暗で、いつ周囲から敵が襲ってくるかわかりません。そんな時に頼りになるのは聴覚だけでした。今回、太古の人間が持っていた感覚を、いま一度呼び起こしたいと思います。そうすると、いままでにない感覚を得て、例えば「気配」をより感じ、第六感が冴えるようになるのです。
みなさんも体験したことがあると思いますが、音が人間に与える影響はとても大きい。気持ちのいい音楽で心が癒されたり、元気になったことは誰にでもあると思います。
心理学者たちは「人がリフレッシュできる音」をずっと実験してきました。すると、そうした音には「周波数」が関係していることがわかり、向いている周波数も「人によって違う」ことがわかりました。
高周波数が向いている人もいれば、低周波数が向いている人もいるし、時と場合によっても異なります。しかも、その人に向いている周波数を浴びせると、病気の治癒につながることもわかってきました。
穏やかな語り口でなされる高城氏の話に、会場中の人々が真剣に聞き入る。話は人間のエネルギーを司ると言われる「チャクラ」へと展開する。
高城 いま、この分野は東洋医学、西洋医学の両面から研究が進んでいます。
アーユルヴェーダやヨガの世界では、人間には「チャクラ」と呼ばれる七つの車輪、つまり「回るエネルギー体」があると言われています。チャクラが止まると、その箇所が不調になってしまいます。
そして、チャクラを正常に回すには、その人に合った音が効果的だと言われています。胃が不調のときは、胸の辺りのチャクラを回すことで不調が改善するのです。これをサウンドセラピーと言います。
サウンドセラピーは、耳からだけではなく、体全体で音の響きを感じることで効果が倍増します。今日はみなさんに、体全体で音を体感していただくために、特別なサラウンド・サウンドシステムを用意しました。

ゾーンに入るための呼吸法

一連の説明の後、セッションが始まった。最初は、呼吸を整える時間だ。
高城 人間が本来持っている力を取り戻すために、最初に取り組むのは呼吸です。普段、深呼吸することはあまりないと思いますが、呼吸は想像以上に大事です。人間が唯一、自律神経をコントロールできる手段が呼吸です。
われわれは、何かに集中したり、情報を一気に摂取すると呼吸が浅くなってしまいます。
今日は皆さんが、一番リラックスできる体勢で呼吸することからはじめましょう。鼻から吸って頭の後ろに抜ける感じをイメージしてください。音楽がそっと流れ、インストラクションがはじますが、それに身を委ねるように、呼吸をゆっくりしてみてください。
マットの上にあぐらで座り、楽な姿勢を取る来場者たち。そして水の音をイメージしたBGMと呼吸法を説明するナレーションが流れる中、大きく深呼吸を行なっていく。
*呼吸時の音声はこちらからお聞きいただけます
全体の雰囲気が落ち着いたところで、ヨガへと移る。
高城 次に、みなさんに少しだけ体を動かしていただきます。体を動かすことが大事な理由は、われわれは情報過多や運動不足が原因で、心と体が分かれてしまっているからです。
逆に言えば、心と体が一体化すると、いままでにない感覚が起こります。
みなさんは「ゾーン」という言葉を聞いたことはありますか。アスリートがよく使う言葉ですが、リラックスしながら集中している状態です。ゾーンに入る癖が付くと、あらゆる脳の感覚が変わり、驚くほどのパフォーマンスを出すことができます。
ゾーンに入るための最適な方法、つまり心と体を通じやすくするひとつの方法がヨガです。今から、簡単なヨガのセッションを行いたいと思います。

睡眠はトレーニングできる

ヨガのセッションでは講師のitsuki氏も登場。両手を高く掲げて背中を伸ばしたり、股関節を広げたり、大きく身体全体を動かすことを繰り返す。
ヨガは真剣に行うと結構な運動量になる。運動を通じて交感神経が刺激された分だけ、反動で副交感神経の働きも活発になり、深いリラックス状態が味わえるというメカニズムだ。
ところどころ汗をかき、息が上がっている人も見える。ここからいよいよ、瞑想に移る。
(Photo by Jumpei Hosoda)
高城 ヨガが初めての方は、ドキドキして心拍数が上がったかもしれません。思いのほかヨガはハードですが、慣れたら心地がいいものです。
「心地いい」と感じるのは呼吸が関係しています。呼吸によって、体が周囲のいろいろなものと一体化していく。そのとき「ゾーン」に入れれば、リラックスして集中することができるようになります。
現代人はリラックスするのが苦手です。だからリラックスするコツをつかむことが重要です。そしてそれを助けるのが、「周波数を使った瞑想=サウンドメディテーション」です。
これからいよいよ瞑想に入ります。さまざまな周波数が、四方八方から聞こえてきます。自分に合う周波数があるはずなので、その周波数を、ぜひ見つけてください。
周波数の特性は、波があるということです。気に入った周波数がきたなと思ったら、波に乗るイメージで、その周波数に乗ってもらえれば、言い難い心地よさを感じます。耳から聞こえてきたものを、体の中に素直に取り込んでください。
さまざまな周波数の音が響く空間で、全員が瞑想を始める。中には横になり、眠ってしまう来場者の姿もある。
*瞑想時の音声はこちらからお聞きいただけます
高城 気持ち良くお休みになっている方もいるかもしれません。これをやると、だいたい10人に2人か3人がお休みになります。
それぐらい、みなさんが疲れている証拠です。現代人は、「睡眠力」が不足しているとも言えます。
実は「睡眠力」は、現代社会では最も重要な力だと僕は考えています。睡眠もスポーツや語学と一緒でコツがあるんです。スポーツや語学が、練習を積み重ねるうちに突然うまくなるように、睡眠のコツをつかむと、いつでもどこでも眠れるようになります。
なにしろ、人生の3分の1は寝るように人間は設計されているので、その自然の力を失ってしまっては、ゾーンどころか、本来のパフォーマンスすら出なくなってしまいます。
眠れないときは、先ほど説明した「チャクラ」と言われる7つの車輪が滞っていることが多々あります。その時は、自分が心地よいと思う音に耳を傾け、チャクラがスムーズに回る周波数を掴んでみてください。波に乗るように音と一体化するのが、コツですよ。

人間の脳は嘘をつく

最後に、再び呼吸が行われる。心なしか冒頭よりも、みなリラックスした顔をしている。
高城 いま流れた音源は、音数を減らしていますが、実は最初の呼吸のときと同じ音です。ただ、恐らく感じ方が、まったく違ったと思います。
これはいったい何を意味するのか。感じ方が変わったのは、本来持っていた力が少しだけ引き出された証拠です。その力をもっとご自身の中から取り出すことを覚えれば、日々をもっと楽しめるようになるんです。なにより、センサーが鋭くなりますから。
人間の脳はよくできていて、自分に嘘をつくことが得意です。本当は疲れてないのに「疲れている」と言ったり、疲れているのに「疲れてない」と言ったりしてしまいます。
でも、そうしているうちに、心と体がどんどん離れていき、本当の自分を見失ってしまい、センサーが鈍感になる。だから現代人は、ストレスに悩んでいる。
逆に言えば、意識して心と体を一つにしなければなりません。そのための最適な手段が、瞑想なのです。
僕は、いきなり心を無にしろと言われるような瞑想は難しいと思っています。ですので、「音を感じながら瞑想する」ことに可能性を感じ、サウンドメディテーションを始めました。今日の体験をきっかけに、みなさんもぜひご自宅で、「あたらしい感覚」を得るのを心がけてみてください。
(構成:野村高文、上田裕、撮影:鈴木大喜)
イベントで配布・販売したサプリメント・オイルに関しましては、合法・安全な麻の実を原料としたもので、大麻取締法の対象となる大麻草とは無関係です。また医薬品医療機器等法の対象となる医薬品や医薬部外品にも該当せず、いずれも事前に確認した上で配布・販売しております。
*NewsPicksアカデミアでは、今後、体験系のイベントも行っていきます。これを機会にぜひお申し込みいただければ幸いです。