アートを知れば、国家と経済の仕組みが見えてくる

2018/3/12
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたちが、時代を切り取るテーマについて見解を述べる連載「イノベーターズ・トーク」。
第128回(全5回)は、東京画廊社長の山本豊津氏が登場する。
アート、とりわけ現代アートは表現が抽象的だったり奇をてらったように見えたりして、難解なイメージがある。しかも、自分でも作れそうに見える作品に何億円もの価値がつくなど、一般とかけ離れた世界のように思いがちだ。
しかし、日本で初めて現代アート作品を扱った画廊「東京画廊」を運営する山本氏は、アートにこそ、資本主義社会を読み解くヒントがあるという。さらに今後の日本は、アートを活用した「資産社会」への転換が必要だとも論じる。一体それは、どういうことだろうか。
1、2回はアートと価値の関係について考え、生活必需品でないアート作品に高値がつくメカニズムや、ビジネスパーソンがアートを学ぶメリットについて明らかにする。
3、4回では、アートを利用した国家戦略に話が及ぶ。中国が今、アートでアジアの覇権を取ろうとしているが、それが日本でほとんど着目されていないことに、山本氏は警鐘を鳴らす。
最終回では、アート作品の買い方について山本氏がレクチャーする。
いつもと立ち位置を変え、アートの視点から国家や経済について考えてみよう。そこには、学ぶべき点が決して少なくない。
アートに高値がつくのはなぜか
──山本さんの著書『アートは資本主義の行方を予言する』では、資本主義社会とアートの構造が似ていると指摘しており、その論点を興味深く感じます。
まず、アート作品にとんでもない高値がつくのはなぜなのか、そのメカニズムを教えてください。