【東京スカイツリー】表面の99%以上にAGC製品、の意外
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電波塔のスカイツリーは本来デカい工作物でしかないはずなのですが、人が登るランドマークタワーでもあるため建築物としての安全性も守らなければなりません。
それでは建築物は、いつ壊れるか。
大きく分ければ2つで、地震やテロなどにより一撃でドカンと壊れるか、サビや疲労などの劣化により長い時間をかけてジワジワと壊れるか…この2つに対して対策を練らないといけません。
言わずもがな、歴史上のだいたいの建築物は後者により修復や建て替えを余儀なくされており、ジワジワと壊れないように耐久性を向上する技術は、四季に富み温度や湿度がブレブレの日本では必須となります。
スカイツリーのような鉄骨構造は強度・軽さ(=耐震性)に優れる一方で、サビやすい鉄で構成されるため耐久性は死活問題。
鉄骨の表面を塗料により被膜して、酸素や水分といった悪者からシャットアウトしてあげる必要があります。
ここの塗料にガラス生産の副産物である「ルミフロン」を使っているわけですね。
…と聞くと、鉄骨の表面にペンキのようにルミフロンをペタペタと塗っていると想像するかもしれませんが、違います!
ルミフロンの下に、遮断層・防食層・付着層・地肌(鉄骨)があり、ルミフロンはスカイツリーの鉄骨塗装の最表面にある塗料層として、耐久性を支える門番としての役割を果たしています。
ポケモンリーグ(初代)で言うならカンナです。
鉄骨が錆びないのは、その下の遮断層が水分や酸素の浸入を防ぎ、さらにその下の防食層で亜鉛が犠牲陽極になって錆びてくれるおかげで本丸の鉄骨をサビから守り、さらにその下にザラザラの付着層があることで塗料との接着が確保され、最下層の鉄骨は耐久性の心配などせず伸び伸びと強度を保証してくれるわけです。
もちろんルミフロンは、厳しい環境の被膜層を守る必須の塗料です!
この辺りの技術は、スカイツリーを建てた大林組のHPに詳しく書かれていますのでご参照ください。
http://www.obayashi.co.jp/news/news_20120316_1
鉄骨塗料にAGC製品が利用されていると言うのは少々以外ですが、日本最高峰の眺望を引き立たせる展望台の高層ガラス技術はAGCの御家芸であり、これはもう筆舌尽くしがたい超絶技巧が張り巡らされており…
ですが、文字数ないので割愛。
私が言いたいのはとにかく、素晴らしい記事!!!AGCの連載でスカイツリーを取材した、というと、誰もが「ああ、展望台のガラスね」という反応です。もちろん、350m超の高さにあるガラスもすごいのですが、実は、見えるところはほぼ全部AGC製品がかかわっています。AGCのフッ素樹脂「ルミフロン」の技術があってこそ、色褪せず、剥げず、錆びず、スカイツリーが美しい姿を保っていられます。
ぜひ、今度スカイツリーを見るときは、こんな世界シェアNo.1技術を思い出してください。記事にある「バックセル」が注目点!
BtoB商材では、これがキー。直接の販売先と実際の購買決定者が違うことは良くある。だからこそ、誰が意思決定者で、そこに対して適切なマーケティング活動を行っていくことが重要。
ガラスも塗料も、見た目は特に新品だと差が分かりにくい。ただ時間経過するなかでの耐久性や、あとは実際に使用する中でのエネルギー効率など色々な違いがあり、奥深い世界。