就活面接、AIロボットが質問攻め
コメント
選択しているユーザー
前職は、自動車会社で長年採用面接をやってました。
面接の時に注意することは大きく2つあります。
1つは、会社で活躍できる人材を見極めること、もう1つは、残念ながら縁が無かった人にも、会社のことを好きでいてくれるようにコミュニケーションすることです。
自動車のようなBtoC商品では、この点は非常に大事です。
何しろ7000名くらいのエントリーがあり、採用できるのは300名ほどでしたから、入社出来ない人のほうが圧倒的に多いのです。
ですので、私が採用部長で最初にしたことは、極力初期エントリー数を下げる方策を検討することでした。
さて、最終面接。
残念ながら、その時に内定を出せないという判断になるケースもあります。
そういうケースを想定して、学生さんに非常に難しい質問をいくつか投げかけておきました。答えに非常に悩む正解のない質問です。
この質問を置いておくことで、のちに結果を聞いた時に自分で自分を納得させることが出来ます。
『ああ、あの質問にうまく答えられなかったから、落ちたのかも。。。』
理由無く落ちるたのではないか?と認識すると、自己肯定感が低下しその後の就職活動にも悪影響があります。
理由が分かれば、少なくともスキルや知識を増やして対処しようと、前向きにその後の人生も過ごせると思うので、ささやかながらそういう気配りをしていました。
いつかは、日産のクルマを買っていただければいいなと思いを込めて。
さて、そういう面接を目指してきた立場からすると、108もの質問を1時間も繰り返す意味があるのかは、極めて疑わしい。
会社の生産性は上がるかも知れませんが、学生さんの生産性はガタ落ちです。
面接を、会社都合を最優先した選別プロセスと考えると、こういう設計になってしまうのだなぁと思います。
もし、私が就活生でこのプロセスで面接されたら、その会社とその製品に対して、良いイメージは持てないですね。
AIは、結局使う側の人間の思想が大事だと言っているのは、こういうことなのです。
注目のコメント
体験された記者さんのコメント、「正直言って疲れた」は学生ならもっと疲れるのでは。108の質問、1時間半の質疑応答。たしかにデータは必要だけど、個人的には面接は対話の場であってほしいと思います。
学生も会社を選ぶ権利はあると思いますが、なんだか一方的に会社側の力が強く出ていますね。Pepperに質問とかできなそう…
これ、会社側もロボットなら受ける学生側も遠隔でいい、などの選択肢は欲しいところです。1次スクリーニングで使うって話でしょうから、AI面接はSPIの面接版みたいな位置づけになっていくのかもしれませんね。そうなると、各社ごとにやるというよりは共通ES(エントリーシート)のような位置付けになるイメージかな、と。
いずれにしても、最初は学生も面白がってやると思うのですが、各社が同じような無機質なAI面接導入すると学生側が疲弊していって、売り手市場の中で、回避される流れも出てくるでしょうから、単純に各社個別に導入進む、とはならないと思います。