マーケティングはしない。仕事はすべて「自分ごと」
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マーケティングはない、というと、お客さま不在?と思われるかも知れませんが、もちろんそんなことはない。
Soup Stock Tokyoなどやっていると、お客さまからのおいしかったよ、また来るね、こないだおばあちゃんにあげたら喜ばれました!とか、そのような言葉にどれだけ救われ、楽しみにしているか。
むしろその一言のためにやっていると言っていい。
飲食を経験したことある方なら誰でも知っています。
だからこそ、お客さまに対しての第一声は、ちゃんと我々の方から、我々の声で語りかけたい。
そうやってコミュニケーションしていきたい。
最初にSoup Stock Tokyoを始めた20年前は「お客さまは神様です」という外食での不文律のようなものがあった。
お客様が偉くて外食従事者は下、というような。
そうではなくて、お客さまもわれわれもフラットで、どちらが偉いわけでもない。
だから、我々はわれわれの価値観をちゃんと提示して、上目遣いにへり下るのではなくて、ちゃんとどうですか?と語りかけたい。
お客さまの声は大事ですが、顔色を伺って商品を作るのではない。ちゃんと自分たちの価値観を提示すべき。
それがマーケティングがない、です。
また、アートだってマーケットを知らねば、というお声もある。
勿論です。
アートは、むしろその歴史や背景が重要です。
大きな流れなどを見ながら、アートはここのところコンセプトに寄りすぎている、だから逆にペインティングで行こう、改めて美を正面から向き合おう、とか。その上でのこと。
言いたいのはアート側ではなく、ビジネス側です。
ビジネスが市場動向や顧客の顔色を伺ってばかりいることに対して言ってるわけです。響くキーワードが今回も散りばめられていました。
先ず、「Responsible/Responsibility」。海外にいると、非常によく耳にするワードです。
ようやく日本でも馴染むようになったCSRのRがまさにそうですし、近時、社会・経済全般において最重要話題の一つであり、どこでもかしこでもテーマになる「サステナビリティ」の文脈でも多用されます。例えば、企業のアニュアルレポートとか読んでいると、無数かと思うぐらい、Responsible/Responsibility出てきます、笑。
以上の背景もあり、Responsibleを共通言語として使うのは現代のトレンドを踏まえ意味でも非常に戦略的かつ効果的であり、個人的にはこの言葉に込める遠山社長の想いに共感します。
また、空間全体を作品として表現する「インスタレーション」をビジネスの文脈でよく使用される「プロジェクト」という言語で捉え直すのは、アートを身近に感じやすい切り口やきっかけの一つとして納得です。
私自身、関心領域が非常に広いため、「付加価値を出すには、専門性を養う、一つの領域をもっと深めるべき」という言説や諸先輩のアドバイスを頂戴する度に、やや心を折られてきたのですが、笑、
①社会環境、時代が日々激変し、近未来すら何が起こるか分からない世界&
②テクノロジーで専門性すら一瞬にして陳腐化する可能性
を視野に入れる中で、多様な関心領域を掛け合わせたプロジェクト型で価値を創出していきたいと最近は考え始めております。その中の一つが、ビジネス×アート×金融です。
諸先輩方には生暖かく見守りいただき、今後どうなるかは結果で厳しくご判断頂けますと幸いです、笑>そして、失敗という概念。例えば、アーティストが10枚の絵を描いて、7枚は売れたが、3枚は売れない。この時、売れなかった絵を「失敗作」とは呼びません。
でも、もしお客さまにアンケートをとって、その通りに描いていたとしたら、「言われた通りに描いたのに、売れなかった」と、誰かのせいにしたくなる。外の理由でつくって、おまけに売れもせず、外に理由を押しつける。そんなループを自らつくり出してしまうことを「失敗」と呼ぶのだと思います。
ですから、スマイルズの事業はすべて「自分ごと」であることを大切にしています。