[東京 28日 ロイター] - 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ変わらずの107.31/33円。

前日の、パウエル新FRB議長の議会証言がタカ派的だったと解釈され、朝方は投機筋を中心にドルロングを積み増す動きが広がり、ドルは一時107.52円まで上昇した。

午前9時台の取引では、月末に特有の輸入勢によるドル買いが流入したものの、輸出勢の売りが先行し、ドル/円の上値は既に重くなっていた。

そこへ、日銀が国債買い入れオペで「残存25年超」を100億円減額して700億円としたとのニュースや、2月の中国製造業PMIが50.3と、1月の51.3から低下したことなどが伝わり、ドル売り/円買いが広がり、107.07円まで下落した。

2月の中国製造業PMIの水準は2016年7月以来で、市場予想の51.2も下回った。

「単純化してみれば、パウエル議長のタカ派的な議会証言で昨夜からドルロングを持っていた投機筋が、きょうのイベント(日銀オペ減額、中国PMI)でロングを投げさせられた」(ヘッジファンド)のだという。さらに、きっかけは何でもよかった、という。

市場では、トランプ米大統領の娘婿であるクシュナー大統領上級顧問が、最高機密情報の大統領日報(PDB)へのアクセスを失ったことが話題に上っていた。クシュナー氏は約1年の間、機密情報取り扱いの暫定的な許可を受けている。

「米政権の求心力のほころびは続いている。ドル買いになりにくい環境だ」(国内運用会社)との声がある。