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陰謀論、あるいは万能感のある悪役を持ち出して世界で起きていることをシンプルに理解しようとする、ことは歴史上ありふれたことで、古代から存在します。悪役は古代ローマのネロ帝の時代はキリスト教徒であったし、近代ヨーロッパではユダヤ人、ムスリム、資本家、国連など様々です。
現代でも陰謀論はありふれており、中東やアフリカ、インドではその弊害は米国よりも深刻であり、しばしば民族間衝突や虐殺を引き起こしています。米国の陰謀論が問題なのは、米国は陰謀論のような世界観から相当に自由な社会であると見られていたこと(陰謀論者は相当数いましたが、権力を握ったりしませんでした)、米国で起きたことはすぐに世界中に広まるためでしょう。

人間は世界で起きていることを理解したがります。陰謀論と呼ばなくても、かつては大多数の人々に宗教や神話が世界を説明していました。妖精や妖怪、霊、神秘の世界が隣接していると考えることで多くのことが説明されました。近代になって、そういう説明の仕方が否定されました。経済や自然科学、社会科学によって世界は理解されるべき、という圧力が世界中の人々にかぶさりました。それを負担と感じ、その圧力から逃れたい人々がいます。
陰謀論の再台頭は、社会科学が世界を説明する方法として人々に十分に受け入れられなかったことと関係があるでしょう。社会学や経済学への懐疑、反発や反知性主義といったことと、陰謀論で世界を説明したがることは、同じ現象の裏表といえるくらい、密接な関係があるでしょう。中国の義和団やナチスがそうであったように、陰謀論は宗教的、神話的な世界観への回帰(たとえ科学を装っていたとしても)と同じ潮流の中で普及します。同時にそれらは、近代の西洋が目指した科学的教育を受けた自立した市民の社会による民主制への反発をも共有しています。
分極化の中でディープステートの話をここ数年、真剣に信じるような言説も増えている気がします。10年くらい前のグレン・ベックの番組あたりから「メインストリーム化」しつつあるといえるかもしれません。