この連載について
圧倒的な売り手市場が続き、エンジニアに高額初任給を提示する企業、中途と新卒の採用区別をしない企業などが登場。採用チャネルも多角化し、「インターン採用」のスタイルも百花繚乱の様相だ。
片や学生は、学生にしてプロさながらのスキルを持つ「プロ学生」が登場する一方で、安定志向の学生が主流派で、バブル時代の若者の価値観に逆戻り…との指摘もある。
東大・早慶なら、いつかはどこかに受かると気楽に就活する人が増える中、学生はこのまま、売り手優位を貫けるのか? その内実に迫る。
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総合商社。繊維や食品といった非資源部門に強み。傘下にファミリーマートやプリマハムなどの有力企業を持つ。中国・アジアでの強固なビジネス基盤確立を推進しており、CITIC・CPグループと資本・業務提携も。
業種
総合商社
時価総額
10.2 兆円
業績
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読む人が読めば、かなり矛盾や葛藤が見え隠れする部分だったり、そもそも掲げている理想と現実の既存組織の体制・慣行に大きくギャップがあるのに、それを都合よく解釈することで乗り切ろうとしている部分が見えるでしょう。(それは当然といえば当然で、批判ではなく、本音なので好印象です)
人事部長やトップや役員は意識高くて当然だと思うのですが、組織慣行やカルチャー(社員にしみついた考え方・行動)はなかなか追い付きませんよね。
伊藤忠さんとは言いませんが、同規模の某大手商社の2-3年目の若手が数年前に会社を辞めると言ったときに、部長から「お前は宝くじで1等の当たり券を捨てるつもりか?」と言われたという話を聞いたことがあります。
「寄らば大樹」どころか、宝くじの当たり握りしめている意識の人たちがたくさんいる組織を想像したら、自分が経営者だったら悩ましくてしょうがないです。
男子22歳時点での見極めは本当に難しいと思います。30歳くらいまで分からないこともよくあります。さらには結婚して子供ができた35歳あたりで守りに入る子もいます。
生まれてから死ぬまで「寄らば大樹」であるという人は比較的見極めるの簡単ですが、30歳までバリバリやろうと思ってだけど、「大樹」な組織に活力を奪われて寄っていく方が多いと思いますね。
うかがったのはズバリ、大企業は本気で、自律型人材を採用・育成しようとしているのですか? ということ。東大・早慶の就職で一番人気の総合商社は、やっぱり体育会系の上意下達に慣れた人材が好き…という印象があったものですから。
そこで、出てきた垣見さんの回答とは? また、大企業が抱える社内失業者をどうするのか?といった問題についても、率直にお答え頂きました。
ちなみに、写真を垣見さんは2つ時計をはめていることが気になった方がいらっしゃるかもしれませんが、1つは「健康経営」を目指す伊藤忠らしい、バイタル測定機能付き時計(会社支給)で、1つはご自身の時計だそうです。
最近多くの記事で、日本型の協調性やチームワークよりも自律的な思考や行動が優先する、という論調を見かけます。
しかし、最終的には仕事は一人でできるわけもなく、本当に活躍する人間は仲間とうまく仕事をシェアしながら、成果を出し続けていきます。
どんどん少なくなっていく人的リソースを、どのように有効に、機能的に活用していくかが、これからの日本の課題だと思います。
そこで大事な考え方が、「積極関与型のメンバーシップ」です。
メンバーシップの本当の意味は、メンバーの一員としてなすべきことをする、ということです。
リーダーシップ、クラフトマンシップ、オーナーシップ、チャンピオンシップ等のシップの意味は、ドイツ語の「シャフト」から来ています。
シャフトとは、「それを形作るもの」という意味です。つまり、メンバーシップとは、メンバーの一員として、周囲に積極的に関与していくことを求めます。
決して、空気を読んだり、意見を押し殺すことを意味しません。反対に、周囲の人間に対して、従業員どおしでフィードバックしあうのが、本物のメンバーシップなのです。
こういう組織でリーダーに任命され成果を残すためには、決して自己中心的ではなく、同時に仕事に対して明確な方向性を持ち、必要な改善を周囲に促し、時にはデータを元に方向を修正して目標を達成する能力が必要です。
企業が欲しがっているのはこういう人材です。同時に、今すでに社内にいる人間も、こういう風に変化していって欲しいと思っているのです。
多くの企業で人事コンサルタントをしていて、経営者や人事部のトップが考えていることは、こういう方向なのだなと、最近特に感じています。
変化を楽しめる自立した人間には、ちょっと酷な環境にはなりつつあるとは思います。自分も伊藤忠を飛び出して明確にその辺りを感じました。
全ての環境が当時のままであれば、ファーストキャリアでは迷いなく商社を選びますが、今の環境だと違った選択をします。
自分が入社した2004年の時とは、大分環境が変わってきていますしね。
八田さんのコメントに賛同します。
採用時の完成度で人材を厳選するよりも、まずは、そういうポテンシャルがある人材を伸ばす組織、上司を作るべきだと感じます。
社会人歴が長くなるにつれ、組織に潰され、埋もれていく方は少なくないと思います。
いずれも納得できる内容でしたが、気になったのは出口政策の部分。
某商社グループ企業の産業医をしていますが、親商社からの出向者が仕事を全くしないだとか現場を荒らしていて困るだとかという相談を受けたことがあります。それもこういった出口政策としてのひとつの形なのかもしれませんね。
あと、今年は逃しましたが、経産省と東証がタッグを組んで社員の健康管理を経営課題と捉えて戦略的に行なっている企業を表彰する「健康経営銘柄」の常連企業である伊藤忠商事。
この1〜2年で制度が変わっていなければ、下記のような取組みも充実しているようです。
「朝型勤務制度」
長時間労働対策と生産性向上のため、基本的に夜8時でシャットダウンし、逆に早朝出社(朝5時から8時まで)した人には朝食を提供して深夜勤務と同様の割増賃金を支払う。
「国境なきコンシェルジュ制度」
生活習慣病対象者を含めた要健康指導社員に対して担当保健師・看護師が1対1でついて産業医と連携しながら世界中に駐在している社員に対する健康指導を行う。
「キャリアカウンセリング室制度」
2/4/8年目全員とカウンセリングを実施し健康状況も含めた個別支援を行う。
過去数十年に渡って踏襲された1,000時間かかる「仕事のやり方」を全く違うアプローチで1/3の工数で終わった場合、これまで発生していた残業代がもらえなくなる=給料が下がるのか?
キャリアオーナーシップを求めるのであれば人事評価制度を、まずは変えなければならないと思います。
記事の通り、大手で安心だと本心で思って入ることを隠しつつ大企業を受ける人が多いです。その結果、危機感は持っているが、現実として向き合っている人は少ないのかな?と想像します。
今回のような総合商社だと、本音では「給料が高い」「承認欲求が満たされる」「エリート志向」という話を学生間でしています。
一方で、キレイなキャリアでスタートさせることを目的に、大企業を受ける学生も増えてきました。早くからキャリアオーナーシップを持たせることは非常に大切だと思います。
変化が激しい時代だと、持たざる者より今の日本の大企業のように持つ者の方が苦しい事もある。
短期と長期を両方考えないといけないので、理想は分かっていても少しずつ変えていく形にしないと、短期的には組織が崩壊する。そのジレンマがインタビューのあちらこちらでにじみ出ていますね。