[東京 14日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の107円前半。重要サポートポイントを下抜け、一時106円後半まで下落。1年3カ月ぶりの安値を付けた。

久々の107円台ということもあり、仲値にかけて輸入企業のドル買い/円売りが出た。107.91円まで上昇し、きょうの高値をつけたが、その後は一転。日経平均のマイナス転換とともにドル売り/円買いが優勢となった。

下値めどとみられていた昨年安値107.32円を割り込むと、ストップロスを巻き込みながら下落スピードを加速。投機筋の仕掛け的な円買いも加わり、節目の107円も下回った。午後1時過ぎにかけて106.84円まで下落し、2016年11月以来の安値をつけた。

午前の記者会見で菅義偉官房長官が「為替の安定はきわめて重要。緊張感をもって注視している」と述べたが、この発言への相場反応が限定的だったことで、下値攻めに安心感が出たとの見方も出ていた。市場からは「『注視する』では弱い。一時的にスピードを緩める効果はあっても、ドルを持ち上げるエネルギーにはならない」(外為アナリスト)との声が出ていた。

106円後半まで下落したことで、下方向を試した向きにいったん達成感が出たといい、午後3時にかけて107円前半を回復。米1月消費者物価指数(CPI)待ちのムードも出始めた。

米CPIについてロイターがまとめた市場予測では、前年同月比で1.9%、コア指数は同1.7%となっている。予測を上回りインフレ加速観測が強まれば、米長期金利が上昇し、株価が不安定化する可能性がある。「米長期金利が2.88%くらいまで上昇してきたら、株価への影響に注意が必要。金利差を見ればドルも買いやすいが、もう少し市場が落ち着くのを待ちたい」(国内金融機関)との声が出ていた。

チャート的に節目の107.32円を下回ったことで、下値余地が2016年安値から高値への上昇幅に対する61.8%押しの106.51円レベルに広がった。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 107.15/17 1.2376/80 132.65/69

午前9時現在 107.75/77 1.2351/55 133.11/15

NY午後5時 107.82/83 1.2350/54 133.16/20

*本文1段落目の脱字を補って再送します。

(為替マーケットチーム)