ソフトバンク、スイス再保険の少数株式取得に向け協議
コメント
注目のコメント
再保険というのは保険会社のための保険会社、保険会社の駆け込み寺です。つまりテールリスクを取る会社です(テールリスクを証券にしてしまい投資家に引き受けてもらうことも可能です)。
十分な資本と適切な再保険料を設定し、カタストロフィーが起きても生き延び、時間の経過とともにノウハウが蓄積される、というモデルで、参入障壁が高いとされて来た分野だと思います。
今回の話は、まずどちらからアプローチしたのかがまずは興味を引きます。特にスイスリー側の意図を知りたいですね。
また、マクロ的にみると、テールリスクの発生確率や損害率についてはIoT的なデータの集積で再保険会社の知見がアンバンドリングする気がします。またフィンテックが進めば、テールリスクを引き受ける証券の発行がより低コストで大規模になることも予想されます。
ソフトバンクとしては単なる投資に止まらず、データの時代に再保険事業がどのようなビジネスチャンスを広げると見ているのか、そしてどこまでテールリスクをとるのか気になります。【日経新聞の記事にコメントをしたところ、中の人からこちらに移せとのことでしたのでこちらに移します。スポンサーシップの問題でしょうか。。】
保険におけるプラットフォームは再保険。再保険会社を持っていればテックドリブンな小回りの良い元受保険会社が各国で販売する保険からデータを吸い取って効率よく世界中のデータを集めることができる。
もちろん「今の」再保険会社の実務ではそんなに再保険会社は元受のデータを持っていない。けどこれからの再保険実務は違う。Lemonadeでは元受とデータを共有しており、狙っているのはこのモデルであるのは明らかだ。
狙いはもちろん第一にはモビリティ分野だろうが、他のシェアエコ分野を広くターゲットにしているのだろう。世界中にばら撒かれるARMのチップが吐き出すデータを、再保険で回収していくことになる。今の実務でいうところのモノ保険は確実にターゲットされているし、逆にこのデータ回収モデルを作ってしまえば実のところ保険の種類など何でも良い。ヘルスケアもターゲットになるだろう。バークシャーに続いて動いたのはソフトバンク、というわけだ。
分かりやすく、かつシュアな戦略と言える。
今後確認が必要なのはこのモデルでGDPRや中国インターネット安全法(中国サイバーセキュリティ 法)のデータ移転規制を突破できるのかどうか。日本の個人情報保護法は再保険会社に対するデータ移転について特別なルールを持っていないので、個別に同意をとって移転している。他の国では制度によってはサーバを各国・地域に置いてそこでデータ分析、ということになる可能性がある。いずれにしてもデータ帝国の野望を挫くほどの障害とは思えない。Swiss Reとはまた意外な…
再保険自体については椎名さんが説明されている通りで、その観点では一般消費者が触れることがない世界。Fintechという言葉はありつつ、「情報革命」というソフトバンクのビジョンにどう合致していくのだろうか。
ソフトバンクはLemonadeという家財保険を扱う企業に昨年出資した(①)。②の解説記事を見るとUIやボットの活用などtoCでビジョンに合致するところが多い印象。でも、本件は上記のようにtoCでなく、正直イメージが湧かない…
①https://newspicks.com/news/2702299
②https://newspicks.com/news/1792732
Swiss ReのFintech関連の取り組みをググってみると、インド・バンガロールにInsureTechのアクセラレータを2016年に作っているが、それくらいしか見当たらない。
http://www.swissre.com/events/2016_insur_tech_accelerator.html
保険業界のランキングだとA.M. Best社のものが有名だが、これまでMunich Reに次ぐ2位だったが、2017年にはトップになった。
http://bit.ly/2BgGF7S