新社会人、職場 1 年目の罠
2018/2/5
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」（毎週月～木 9：00～13：00）と連携した企画「PICK ONE」（毎週月～木 11：10～11：20）をスタートしました。
5日は、人材研究所 代表の曽和 利光（そわ・としみつ）さんが出演。
5日から7日まで、1月25日に行われた公開イベント「PICK ONEスペシャルトークセッション」でお話いただいた内容をお送りします。
寺岡 曽和さんは、人材研究所の代表でいらっしゃいます。企業の人事部への採用コンサルティング業務などでご活躍中です。最新の著書「悪人のつくった会社はなぜ伸びるのか？」もいま話題となっております。そんな曽和さんとのトークテーマは「新たな職場環境に飛び込むための心得」
サッシャ このテーマをなぜ選ばれたのでしょう？
曽和 春は、入社や人事異動の季節でもあり、多くの人がドキドキしながら心待ちにしていると思います。しかし、入社・異動直後につまずき、辛くなってしまう人が沢山います。新しい環境で、辛くならないために工夫できることをお話できればと考え、このテーマを選びました。
寺岡 最初のトピックは「陥りがちな落とし穴」ということですが、これはどんな落とし穴でしょう？
曽和 それは「リアリティ・ショック」と言われる、落とし穴です。あるアンケートによると、６〜７割の人が「リアリティ・ショック」を感じたことがあると回答しました。
サッシャ 「リアリティ・ショック」とは何ですか？
曽和 新しい環境の「理想」と「現実」にギャップがあり、入社後、モチベーションが低下することです。人事は、新入社員がギャップを感じないように「うちの会社は、全てが理想的な会社ではないからね」と言いますが、新入社員にはあまり伝わりません。
高価な商品ほどクレームが少ないと言われますが、「大金を支払って購入したのだから、失敗する訳がない」と思いたい心理が働くからです。
会社に入社することは、人生において一大事ですよね。ネット上の掲示板などに、入社予定の会社の悪評が書いてあったとしても、良いことばかり考えてしまい、理想化してしまうことがあるんです。
寺岡 入社してすぐに辞めてしまう人がいるとよく聞きますが、これはモチベーションを保つのが難しいためでしょうか？
曽和 これは、新しい現象ではなく、広く５月病といわれるものなんです。"J"の形のように、モチベーションが５月、６月に一度、低下しやすいので、ここを乗り越え、良いスタートダッシュが切れるかどうかが１番大きい山場になると考えています。
特に気をつけなければいけないのが、"鳴り物入り"で入社した人。ヘッドハンティングを経て、部長などの高いポジションを得て入社した方や、学生時代に体育会系のキャプテンを務め、優秀な成績を修めていた新入社員は、注意しなければいけません。
営業とスポーツは必要とされる能力は違いますよね。か弱そうな女性社員の方が商品が売れて、自分が売れないことなどがあると、自信を喪失し、Jカーブを乗り切れないことがあるんです。
そして、そういう人によくある症状が「帰郷」。自分がキラキラ輝き、自信を持てていた時代に戻ろうとし、結果、帰郷するんです。先程、例えに挙げた体育会系キャプテンタイプの新入社員は、休みの日に部活の後輩のコーチをしてしまうと危ない。
サッシャ 「先輩が来た！」と注目されるんですね。
曽和 会社では新入社員だから、右も左もわからない状態なのに、土日に後輩の指導をすると、高待遇を受けます。これは危ない兆候です。功を成し遂げてから、故郷に錦を飾るべきではないかなと思います。
サッシャ 新しい環境で上手にコミュニケーションをとるコツってありますか？
曽和 職場内で決定権を持つ方々の信頼を得るのが私は大事だと思います。どんな職場や環境でも、職場内でを牛耳っているおじさん、おばさんがいますよね。
少し悪賢い手段に聞こえるかもしれませんが、目的を達成するためには大事なことではないでしょうか。
以前、リクルートで採用責任者を務めていた際に、採用基準のひとつとして「おじさんリテラシー」を重要視していました。会社内の意思決定者にイエスと言ってもらえれば、自分が偉くならなくても目的が達成できますよね。
ただ、難しいのは、日本の会社の場合、誰が偉いのかは役職だけで判断できないところです（笑）新しい環境で上手くコミュニケーションをとるには、媚を売るわけではないけれど、周囲に認めてもらい、信頼を得るということをしなければいけないかなと思います。
サッシャ 貴重なお話ありがとうございました！
曽和さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
