小型電卓開発、佐々木正氏が死去 元シャープ副社長
コメント
注目のコメント
「ロケット・ササキ」 トランジスタ,LSI,電卓戦争を早川電機(シャープ)の技術者トップとして指揮した巨人.ショックレー,バーディーン,ブラッテン,江崎玲於奈,松下幸之助,ロバート・ノイス,西和彦,孫正義,スティーブ・ジョブズなどと親交.孫正義の創業のきっかけをつくり,スティーブ・ジョブズがふらっとシャープの佐々木を訪れ,iPodのアイデアを語ったというのは有名な話.
「ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正 」 http://amzn.to/2nvW10Q は読むべき.人を引き付けるリーダーとはこういう人.読むと元気が出ます.私が社会人1年の夏に初めて貰ったボーナスで買ったのがザウルスでした。9万円ちょっとだったと思います。
まだインターネットが一般人には(ブラウザというものが無かったので)実質的に存在しないも同然で、携帯電話は無論、PCすら日本では持っている者は殆どいない1994年でした。
そんな時代にザウルスはパソ通、つまりインターネット通信が出来るので買ったのですが、今にして思えばあの利用体験は完全にスマホでした。
そのザウルスは、実はアップルとの共同開発による手書き文字認識技術の賜物でありアップルは同時期にあのPDA、ニュートンをリリースしています。もっともその前から、佐々木さんはジョブズと深い親交がありました。
そしてそのザウルスの原型は、孫正義がまだバークレー留学時代に発明した翻訳機をシャープが1億円強、今の金銭感覚なら数十億円くらいでしょうか、で当時まだ10代だった孫さんから買い上げた特許に基づきます。以来、孫さんは恩人として佐々木さんを崇めてきました。
それらのドラマは克明に、大西さんのベストセラー「ロケットササキ」に描写されています。プロローグから度肝を抜かれ、私は読んでる途中いくつか涙する箇所もあった名著です。読んでない方は先にジョブスや孫さんの伝記なり映画を見てから読むと尚唸る場面が多いと思います。
このような世界的なテクノロジストが日本にいた事に、改めて深い感慨を覚えますが、その才能を育くんだ要因の一つは、戦争・軍事だろうと思います。
戦後GHQの命を受けて米国にわたりシリコンバレーの父、ウィリアムショックレーの薫陶を受けた事が、佐々木さんの職業人生を決定づけています。またその前の欧州への留学で様々な軍事技術を学んだ事が技術者としての原点となっています。
ちなみにテック都市シリコンバレー、イスラエル、インド・バンガロールはいずれも軍需城下町です。
逆に考えれば、佐々木さん以降、日本に世界的なテクノロジストが存在してこなかった理由の一つは、戦後日本が米国に軍事をアウトソースする選択をしたからなのかも知れ無いとも思います。
ジョブズを導き、孫さんを世に輩出した偉大な先人のご冥福をお祈り申し上げます。小生も微力も微力ではありますが、その遺志を継ぐべくアジア諸国でもがいております。
合掌