[東京 1日 ロイター] - 新日鉄住金 <5401.T>は1日、2018年3月期の連結売上高見通しを5兆6000億円から5兆7000億円(前年比23.0%増)へと上方修正した。鉄鋼製品の価格改善と為替円安効果によるもの。ただ、当初計画の生産を下回っていることから、経常利益は同71.9%増の3000億円の見通しを据え置いた。

トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト13人の経常利益予測の平均値は3279億円となっている。

通期で4160万トンとみていた単独粗鋼生産は、台風や工期見直しの影響から4100万トンに引き下げた。

鋼材平均価格は、上期の1トン当たり8万3500円に対し、10―12月期は8万6000円に上昇した。年度計画は8万4000円から8万5000円(前期は7万2600円)に引き上げた。建設、自動車など国内鋼材需要は好調なほか、中国からの輸出が減少していることが、国内外の市況にとってプラス要因になっている。

株高により資産売却益が計画より上振れたことで、純利益計画は1700億円から1800億円(同37.5%増)への引き上げた。

足元での懸念材料は、原油や亜鉛など副原料の価格高騰。栄敏治副社長は会見で「500億円を上回るコストプッシュ要因。一部回収できていない。副原料の鋼材価格への転嫁はこれからの課題」と述べた。

2017年4―12月期の連結売上高が前年同期比25.0%増の4兆1645億円、経常利益が同約2倍の2254億円になった。

(清水律子)