若手が辞めない「ホラクラシー経営」とは?

2018/1/31
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
31日は、ネットプロテクションズ 代表柴田 紳(しばた・しん)さんが出演。
26歳の時にネットプロテクションズの買収に携わった柴田さんは、ECのコンビニ後払いサービス「NP後払い」をリリースし、大ヒット。その後、社長に就任し、法人向けの後払いサービスや海外進出にも取り組まれています。柴田さんには「上司なし!ルールなし!管理しない『ホラクラシー経営』とは?」(Business Insider Japan)を題材に、非管理型の組織運営についてお話いただきました。
POINT 1:
管理しない経営のメリット
年功序列でトップダウンな従来型のピラミッド型の組織に対し、肩書きや階層をなくして個々人の自律的な意思決定を促す「ホラクラシー経営」。Airbnbやザッポスなど米国企業に始まり、日本でも導入企業が増えつつあり、ネットプロテクションズも実践している。
「うちの会社には100名を超えるは正社員がいますが、その7〜8割が新卒で、平均年齢が28歳と若い組織です。
従来のピラミッド経営では、年次が下であるほど負荷がかかりやすい傾向にありました。私自身も大企業に勤務していた頃、下っ端ほど潰されやすいのをみていて、『後輩には同じ思いをさせたくないな』と。
(ホラクラシー経営を採用すると)若い人も自律的に動くことができるので、離職しにくくなりました。実際、この3年間で50人以上の新卒社員を採用し、辞めたのは1人だけ。また、仕事に自発的になることで挑戦するチャンスも得やすく、成長速度が速くなる印象です」(柴田さん)
POINT 2:
カギは「オープン化」と「自走」
「ホラクラシー経営のポイントのひとつは、『情報のオープン化』です。秘匿情報を最小限にし、社長と若い社員が持つ情報をなるべく同じにして、現場レベルで良い判断ができるようにします」(柴田さん)
「もうひとつは『自己管理と自走ができる人材』です。みんなに任せるからこそ、信頼は極めて重要。信頼できる人材の集合体にしないと、ホラクラシーは機能しなくなってしまいます」(柴田さん)
「管理者がいないなかで、新人の育成は誰がするのでしょうか?」(寺岡さん)
「全社員がメンターです。25名の新卒社員が入ってきたら、25のチームを作って、みんなが育成に携わるようにしています。
新卒採用もやりたい人が手を挙げてやっていますし、部署異動やプロジェクトへの参加といった人事権も本人が持っています。参加者に当事者意識がないと本気が出せませんから」(柴田さん)
POINT 3:
どんな組織でも実践できる?
「面白い経営スタイルですが、全ての業種で採用できるのでしょうか?」(サッシャさん)
「(ネットプロテクションズのような)決済サービスを扱う会社は、リスクもあり社会的責任も重く、個々人の勝手な動きを認めづらい業種です。本来は一番向いていないのではないでしょうか。それでもこのスタイルでできていますから、やろうと思えばほかの業種でも取り入れられるでしょう」(柴田さん)
「他社の経営者からも、研修の要望がくるのでは?」(サッシャさん)
「参加者は皆さん『なるほど』と言いますね。ただ、ホラクラシー経営を導入すると、既得権を持っている人ほど大きな変化が求められます。実はそこが難しさかもしれません」(柴田さん)
今回のニュースをはじめとした柴田さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
2月1日は、東京工業大学 准教授の西田 亮介さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください。