ホワイトハッカーからみたコインチェック問題

2018/1/30
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
30日は、多摩大学ルール形成戦略研究所 客員研究員西尾 素己(にしお・もとき)さんが出演。
西尾さんは、幼い頃から企業が構築したシステムの脆弱性を指摘して報酬を得るホワイトハッカー集団のメンバーとして活躍。現在はワシントンのシンクタンク、多摩大学の客員研究員など、サイバーセキュリティの専門家として、ホワイトハッカーの育成やコンサルティング業務などを行っています。今日は「Nintendo Switchのハッキングはかなりのレベルまで進んでいる」(GIGAZINE)を皮切りに、サイバーセキュリティ強化に向け、何をすべきかお話いただきました。
POINT 1:
ホワイトハッカーの仕事
西尾さんは、10歳の時、独学でプログラミングを始め、以来ホワイトハッカーとして活躍。
「西尾さんは幼いころから、ホワイトハッカーとして活躍していたとのことですが、いつ頃から始めたのでしょうか?」(寺岡さん)
「小学6年生頃から始めました。ホワイトハッカーは、企業のシステム上の脆弱性を、ハッカーよりも早く見つけ、企業に報告します。
ハッカーとして攻撃するよりも、ホワイトハッカーとして守る方が難しく、やりがいがあると感じました。ハッキングというと、特殊な技術で難しい解析をするイメージですが、実際は方法論に従えば、そこまで難しくはないですよ」(西尾さん)
POINT 2:
仮想通貨を盗んだ犯人の意図とは
「ハッキングといえば、コインチェックの事件が話題ですよね。犯人は、自動追跡で特定できるというニュースもありましたが、今後の展開はどうなると思いますか?」(サッシャさん)
「盗まれた仮想通貨の追跡はできますが、個人の特定は難しいです。
大きなポイントは、犯人の意図が何かです。仮想通貨の仕組みを批判するためなのか、お金が目的なのか。
前者であれば、NEMの価値を下げることによって仮想通貨の信用をなくすことが目的なので、おそらくリアルマネーに換えない可能性があり、特定が難しくなります。
後者のお金が目的の場合は、話が少し複雑です」(西尾さん)
詳細はこちらの音源でお楽しみください。
POINT 3:
システム設計はハッキング前提で
「仮想通貨を購入する際は、セキュリティも考慮して購入すべきということでしょうか?」(サッシャさん)
「重要なのは、取引所のシステムに問題がないか、暗号の設計はどのように発行されているのか、の2つです。
通貨の種類によってセキュリティの仕組みが違うため、今回の件で仮想通貨すべてが危険だとは言えないと思います。
事業者はハッカーに攻撃、侵入される前提で設計すべきです。また、実際に攻撃されたとしてもすぐに検知し、対応できるシステム設計が緊急の課題ではないでしょうか。
個人でも通貨自体の安全性を判断できる能力を身につけた上で、購入することが必要だと思います」(西尾さん)
今回のニュースをはじめとした西尾さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
1月31日は、ネットプロテクションズ 代表柴田 紳さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください