ボンバルディア勝訴、米委員会がボーイング主張認めず
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この問題をまとめると以下.
カナダのボンバルディアは社運を賭けた150座席前後の中型機Cシリーズでボーイング,エアバスと競合するようになって不振に陥っている.
米デルタ航空がローンチカスタマーとなり,Cシリーズの購入を表明.すると,ボーイングは米当局にボンバルディアを提訴.カナダ政府がボンバルディアに違法な補助金を与え,Cシリーズを米国内で不当に割安な価格で販売していると主張した.これに対し,米商務省は10月,Cシリーズの輸入に関し300%の予備関税を課す方針を仮決定.
これに対し,ボンバルディアはボーイングのライバル,エアバスを引き込む作戦に出る.Cシリーズの事業を分社化して,エアバスから出資を得て新会社を設立.エアバスA320を組み立てる米国内の工場でCシリーズの組み立ても行うようにして,課税回避を行おうとする.
米国とカナダの対立は他の航空機にも広がっている.カナダはボーイングの戦闘機FA18を購入する予定であったが,ボーイングが訴えを取り下げないので取引を停止.
そして本記事.米商務省の関税300%の仮決定を退ける判断が下る.事態は正常化に向かうのか?それともボーイングが新たな動きをするのか?「米国が負けた」というのが自分の所感。
記事にあるようにBoeingの主張(Bombardierがカンダの補助金を利用して不当廉売している)だけでなく、商務省が課そうとしていた300%近くの課税についても退けた。
ちなみに下記でコメントしたが、Boeingは80%の関税を訴えていて、商務省はそれの斜め上を行く%を出していた…
https://newspicks.com/news/2545698
土屋さんもコメントされているが、この「圧力」が裏目に、CシリーズのAirbusへの部分売却という事態を生んでいる。
https://newspicks.com/news/2589148
なお、本件に明確に関連するところで、米国を制裁的関税で協定違反していると、カナダがWTOに提訴もしている。
https://newspicks.com/news/2742012先だって発動されたセーフガードと同様に、米国内で定められた手続きを経た結果ですね。発動の有無という点では分かれましたが、いずれもWTOで認められた救済措置を粛々と審査しているわけであり、発動された時にだけ、保護主義だと騒ぐのには違和感があります。