変わる金融、次なるプレーヤーは?

2018/1/29
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
29日は、ナウキャスト会長赤井 厚雄(あかい・あつお)さんが出演。
赤井さんは、慶應義塾大学法学部を卒業され、東京大学EMPを修了。米国の投資銀行モルガン・スタンレーでマネージングディレクター、上級顧問を歴任2015年には、東大発フィンテックベンチャー株式会社ナウキャストを創業され、現在は取締役会長。内閣府のアドバイザー、早稲田大学研究院 客員教授であり、東京大学でもフィンテックのプログラムで教えていらっしゃいます。今日は「3メガ銀が『口座維持手数料』検討へ」(産経ニュース)を題材に、金融業界の今後の行方についてお話いただきました。
POINT 1:
金融の終わりの始まり
三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクが、銀行口座の維持にかかる手数料を預金者から徴収できるか検討している。2018年度中には結論を出す考え。導入されれば国内初となる。
「これまで銀行はリアル店舗を持ち、従業員を雇い、サービスを提供してきました。しかし、従来の金融機関のあり方が少しずつ限界を迎え、口座維持手数料の徴収は、その前兆のひとつであると思います」(赤井さん)
POINT 2:
収益の柱が危うい銀行
「銀行の主な収益源は貸出で稼ぐ金利と預金金利の差額なのですが、そこが収益の柱になりにくくなってきていて、だから手数料を取ることを始めているんだと思います。
いまの銀行は、ある程度の成熟した企業にはお金を貸しますが、ベンチャー企業やこれから開発が始まる不動産プロジェクトなど少し長めのリスクを取れて高い金利が設定できる分野にはお金が流れにくくなっているんです。
銀行は、規制でがんじがらめになっており、銀行側が持っているメニューでは、 借りる側のお客さんが借りに来てくれない状況なのだと思います」(赤井さん)
「一方、フィンテックが進み、中国ではWeChatPayやAlipayなどが普及し、日本でもLINEが証券業に進出するという話もあります。
預金や貸出ローン、送金と、多くの企業が機能別にアプリを作ってサービスを提供しているので、銀行の従来のやり方が消費者には刺さらなくなってきたというのもあると思います」(赤井さん)
POINT 3:
次なるプレイヤーは
「私たちは、クレジットカードや電子マネーを持ちますが、最終的にお金を引き落とされるのは銀行口座ですよね。今後、銀行はお金を預ける場所として特化していくのでしょうか?」(サッシャさん)
「そこにFacebookやAmazon、Googleなどの企業が参入してきます。私は、金融がこれからプラットフォーマーの時代に突入すると思います。従来の立ち位置のままで銀行が生きていくのは厳しくなっていくのではないでしょうか」(赤井さん)
「これから私たちは、金融とどのように向き合っていけばいいのでしょう?」(サッシャさん)
「これからプラットフォームをベースに、銀行や証券、保険などが乗ってくる時代になると思います。若者はエッジがあるので、勉強して遊びながら、リテラシーを高め、自分の生活に活用していくのではないでしょうか」(赤井さん)
今回のニュースをはじめとした赤井さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
1月30日は、多摩大学ルール形成戦略研究所 客員研究員の西尾 素己さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
  番組タイトル: PICK ONE
  ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
  放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
  番組WEBサイトはこちらをご覧ください