世界のEVシフト、日本は「取り残されるか」
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この記事ではジヤトコが危機感を覚える理由が明確になっていないので補足すると、
EV時代でも、モーターとトランスミッション(変速機)を組み合わせるという生き残り方は想定されるが、親会社で主力の供給先である日産自動車のEVリーフやe-POWERはどうなっているかというと、モーターには「減速機」が取り付けられており、いわゆるトランスミッションはついておらず、さらにこの減速機は日産自動車100%子会社の愛知機械工業で作られており、ジヤトコの仕事は奪われている現状。
http://www.aichikikai.co.jp/products/reduction/
ジヤトコが強みを持ち世界シェアが高いのはCVT(無段変速機)で、ギヤ式のいわゆるATはトヨタ自動車系のアイシンAWがトップ。モーターと組み合わせる理由としてモーターが不得手な高速域をカバーするためとすると高速域の伝達効率ではATに軍配が上がる。CVTに磨きをかけてきたジヤトコは分が悪いように思う。
CVT事業がEV時代も成長を続けていくには、工場の自動化も結構であるが、CVTとモーターを組み合わせていくことのメリット訴求が重要であり、ユニット全体としてモーター単体やモーター+ATよりも小型軽量化できるなどの効果を技術的に打ち出していかなければならない。
気になるのは「その時には私は定年退職している」という発言。私の近くでもよく聞くのだが、これはリーダーシップを放棄していいという理由にはならない。こちらにこそ危機感を覚える。最後の言葉が全て。「その時には定年退職している」。
世界の変化に日本企業が取り残されている最大の理由は「終身雇用(によるインセンティブ設計)」+「経営陣は職業人生の終わり」ということ。
人間は神ではないので、自分に影響が出ないことを死に物狂いで対応できないものです。
こういうインセンティブ設計がされているとシステム的に会社は生まれ変われない。
今変化できているのはオーナー企業だったり、特殊なメンタリティを持った人が社長をやっている特殊ケースだったり、シャープのように株主が変わることで強制的にシステムが変えられた会社だったりします。
日本は現場オペレーションや現場のモラルがすごくいい会社が多いので、そこが変わると一気に価値が上がる会社が沢山あります。
シャープの例もあり、今非常に多くの外資が日本企業を買いたいと思っています。
買えば上層部の経営のシステムを変えられるからです。
現場のオペレーションを構築するのは非常に時間がかかりますが、経営層とそのインセンティブ設計を含めた構造はある意味変えやすい。そう思っている外資企業はたくさんいます。2030年時点でも内燃機関の自動車が無くなるわけではないので、トランスミッションもまだ必要とされるだろう。
最後の一文は編集側の悪意が感じられるが、、常に危機感をもってやってきたジヤトコだからこそ、日産の子会社という枠を超えて、新たな自動車の価値を生み出していけるようなメーカーになってほしいと思います。
ジャトコではなく、ジヤトコ。ここ重要です笑