2018/1/21

【中西宏明】大企業が「日本の基幹」だなんて、神話だ

NewsPicks 副編集長(NY支局)

財界総理に「改革者」

1月9日、経団連は次期会長に、日立製作所の中西宏明会長を指名した。経団連会長といえば、日本の「財界総理」とされるポジションだ。
昨年のNewsPicksの特集でも取り上げたが、中西氏は、先代の川村隆氏(現・東京電力HD会長)とともに、日本の電機産業ではいち早く、デジタル改革を進め、一度は沈没しかけた日立を復活させた立役者として知られる。
特に、中西氏は、米スタンフォード大学院でコンピューター工学を学び、米IBMやGEのトップや、中国のIT産業などの人脈も豊富な国際派として知られ、近年は、政府のIoT戦略にも力強い提言を繰り返してきた。
NewsPicks編集部はこの度、経団連会長に内定が決まったばかりの中西氏への単独インタビューを敢行。大きなデジタル化の波に立ちすくむ日本の産業界について、中西氏の変革への覚悟を伺った。
INDEX
  • 財界総理に「改革者」
  • 外堀が埋まった
  • テクノロジーではなく、社会の変革
  • まずは金融業界が動き出した
  • 変わらなきゃ、持っていかれる
  • 工場現場は、ほぼ出稼ぎ労働者
  • 中国はITで自信をつけた
  • モノを食える時代ではない
  • エネルギー問題の一番の課題
  • 原発は10%超えないのでは
  • 大企業神話を脱却せよ
  • 面白くないと沈没する

外堀が埋まった

──経団連の会長への就任が決まりました。日立といえば、東芝と異なり、財界活動からは距離を置く社是がありましたが、なぜ引き受けたのですか。