化学業界で屈指の業績、東ソーの強さはとてもシンプルだった
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東ソー、こんなに儲かるようになっていたのか!
記事にあるように、コモディティーとスペシャリティーの両輪の企業。山口県周南市(防府からもう少し東)に巨大な南陽工場という化学コンビナートがある。
東ソーが「ビニルイソシアネートチェーン」と読んでいるもので、ビニル=塩ビ、イソシアネートはウレタン原料。塩の分解でCl、あとは塩ビのためにエチレンクラッキングもやっていて、それら併せて塩ビやポリウレタン原料のMDI、またエチレンといった石油化学系事業がコモディティサイド。スペシャリティ事業(機能商品セグメント)は、記事にも出ているジルコニアやクロマト材料など。
機能商品セグメントは比較的安定して利益の絶対額も利益率も高く、ポリオレフィンも毎年100億円くらいは儲かっていた。ここ数年は塩ビ・MDIが儲かっているのが、クロル・アルカリセグメントが一期に回復して最大の利益を上げるセグメントになっているのが、この利益水準の背景。2013年3月期までは数期連続で赤字だったのが、今や連結の半分近い営業利益。
<追記>Yamaguchiさん、修正済みでございます(有難う御座います!)。防府出身の友達が、出身高校を「ぼ」から始まる略称で読んでいて、その印象が強かったです(笑)<追記終>機能商品事業は安定して300億程度の営業利益を出しています。一方で、昨年から利益を押し上げているのはクロアリ事業。
クロアリ事業の営業利益 カッコ内はクロアリ売上高
14年度83億円(2,943)
15年度180億円(2,797)
16年度479億円(2,798)
15年度から16年度で、改善した299億円のうち、218億円が、「交易条件」によるもの。
業界の方には常識だが、クロールアルカリ、とは、塩素(クロル)と苛性ソーダ(アルカリ性だからアルカリ?)のことであり、電気分解により併産される。
電解事業各社がウレタンを持つのは、電解で出てくる塩素と、エチレンやプロピレンで、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドという、ポリオールの前駆体を作れるから。ポリオールをイソシアネートで架橋するとウレタンができる。”研究員を海外へ送り始めており、産学官の研究も進めている”
これができるのがすてき。日本の技術者は、どんどん外にでていったほうがいい。日本にこもって、いいものづくりをできてきた時代は終わりつつある。現場、現物にしか、特殊で尖ったニーズはもうないはずで、そこまで足繁く日本から通っていても、ものも技術もなかなか仕上がりません
産官学ってことばは、あまりいいイメージはいっぱんてきにないけれど、外のものを拝借できる、相手とギブアンドテイクできるような柔軟さ、フットワークのかるさが、日本のものづくりには必要だとおもいます