メタップス、深夜に決算発表 仮想通貨イーサリアムは価値5倍も時価評価せず
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注目のコメント
下記でコメントした、ICOの際の会計処理について、暫定ではあるが出てきた。
https://newspicks.com/news/2467605
下記の開示を見ると、ICOの完了までは負債性(プロジェクト未成立時には返済するため)、完了時に収益認識。コインと引き換えに得た仮想通貨は、原価で資産計上し、売却時に売価ベースで売上、帳簿価額を原価に計上とのこと。
http://bit.ly/2mIYIeT
順番で再構成しながら考えてみたい。
※あくまで開示読んだ自分の認識で、是非会計士や経理の方のツッコミも欲しい!
①ICOプロジェクト発足で、コインを負債、コインの対価として得た仮想通貨を資産に仕訳。
②ICOプロジェクト完了(返還条項の非発動)で、コイン発行部分を収益計上
→①の段階から②に進み、負債に伴う義務から解放されたということなのだと思う。そうすると、BS的には収益認識分がPLを通して負債→株主資本となると思う(この時点では法定通貨への調達した仮想通貨の売却をしていないので、資産サイドは何も変わっていないので、負債・株主資本サイドで組み換えが必要)。
併せて、発行者は負債に伴う義務から解放される=購入者はこの時点以降は仮想通貨市場で自己責任をもって売買する以外なくなるし、その市場での契約条項などで担保されていない限りは株とかとは違い弁済権を持たないように思う。
③コインと交換で得た仮想通貨の売却で、その時の売値で売上が計上され、BSの取得原価が原価で計上
→ここで初めてCF発生する。売却時に損失がでるかもしれないが、あくまでBS計上額との差。ネットのCFとしては仕組みとしては
『(収益認識 + 売上(仮想通貨売却額) ー 仮想通貨取得原価』
となるが、キャッシュ項目は売上だけなので、開発費などを除けばマイナスのCFになりようがない構造だと思う。
②の会計処理と③のマイナスCFになりようがない仕組みが、ICOというのは何かが如実に出ていると思う。
ある経済圏で通用するコインの発行業務ということ。なので発行をした時点で収益認識するし、発行後に責務は追わない構造。
シニョレッジの民主化ともいえるが、一方で法定通貨の世界でも共同幻想が崩壊したときにはその経済圏が崩壊してきたのも歴史。仮想通貨を時価評価してないってなると、会計監査人はダメと言いそうな気がするけど、どういった判断しているんだろ。
まぁ、時価評価すると業績が良くなる見返りに含み益課税が生じて資金繰りが苦しくなるだろうしね。その辺りの思惑が見え隠れしてるようです。
追記
課税について補足。
まず、国税庁から見解が出ているのは、「所得税」の話です。法人には無関係。
(法人税で見解出てたら教えてください)
なので、取扱いは解釈の話になります。
所得税では外貨と同様の処理を求めていることから、外貨の処理と同じようにするのが妥当でしょう。
法人税法上、外貨を時価評価するかどうかは会社の判断です。つまり、しないこともできます。
ところが。
上場会社は、税法以外の会計のルール、金商法会計にも縛られます。
そのルールでは、外貨は時価評価しなくてはいけません。
つまり、上場会社の場合、外貨については、これを理由として会計処理の選択権はありません。
税法は確定決算主義ですから。
なので「利益たてると含み益課税もセットでついてくる」と書いたわけです。仮想通貨の含み益は利益計上しないという国税庁の公式見解があるので、真っ当な会計。
それにしても、インパクトの強い数字。
密かに仮想通貨を所有しており決算で知って株価に影響する企業はこれからも出てきそうです。
これを見て余剰資金を仮想通貨として持つという発想を持つ企業は少なからずいるだろうし、仮想通貨の個人トレーダーの需要も人材として高まりそう。