【第3回】 データドリブンマーケティングが内包する3つの課題とその解決策『アイ・エム・プレス』西村道子編集長インタビュー
コメント
注目のコメント
データドリブンマーケティングに取り組むマーケティング担当者やデジタルマーケティング担当者は、下記の点については気を付ける必要がありますね。ダイレクトマーケティングは本当にデータでドリブンマーケティングに知恵を提供してくれると思いました。
個人にかかわるデータを適切に活用するということです。これまで、個人にかかわるデータを必ずしも適切に管理・活用してこなかったがために、ダイレクトマーケターは自分たちが手に入れた便利なメディアを、自分たちの手で首を締めて殺してきたようなところがあります。これは歴史的に繰り返されてきたことです。例えば2000年代半ばぐらいから盛んに利用されてきたeメールも、最近は誰も開かなくなってきている。送り手はスパムとは認識していなくても、受け手はスパムだと認識しているeメールも実は大量にあって、それでeメールの開封率が低下してしまっているのではないでしょうか。さらに最近ではリターゲティング広告にも類似の問題がありますね。例えば、先日私が斎場へのアクセス方法をネット検索した後、その斎場のリターゲティング広告が繰り返し表示されるようになり不快な気分にさせられました。
無差別のセールス電話、そしてスパム的なeメール、リターゲティング広告まで、「プライバシーの侵害」と思われるような、不適切なデータ活用を続けた結果、本来、効果的なメディアや手法を、マーケターが自ら封殺していっている側面があると思っています。
3つ目の課題は「そもそも過去のデータを分析しているだけで未来が創造できるのか?」ということです。まず、ダイレクト・マーケティングでは、レスポンスのないお客様のことは把握することができません。もしかしたら、自社のオファーにものすごく腹を立てているお客さまがいらっしゃるかもしれないわけですが、その点については手元にデータがないので分析のしようがありません。また、既存のお客さまのデータベースがあったとして、限られたターゲットリストに対して、手を変え品を変え「売らんかな」のプロモーションを繰り返していくと、それは過度に狩猟型の、刈り取るだけ刈り取るようなマーケティングにもなりかねません。こうして、既存顧客の過去の購買履歴ばかりを追いかけていると、一方では既存客の自然減や一定数の離反がある中で、マーケットの「縮小再生産」に陥ってしまうのではないでしょうか。