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後、産業医になって意外だったことは、大人でも誰が近くにいるか、つまり「座席の位置」は結構ストレスレベルに影響していること。
いかに「半径10mの環境」が人間にとって大事か。そんなことを実感します。
「10年以上に及ぶ人事畑での仕事から、私が学び、後々にも役立ったことがあります。それは『半径10m以内の人間関係』の重要性です」。納得する人も多いのではないでしょうか。
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人が「実は」と言ったときにはもうビーンと来るんです。人事部門での長年の経験で、「あ、この人、これから本音を言うぞ」と分かります。いわば本音の前の接頭語ですよね。
そうやって出てきた本音を集めると、退職した理由の8割は、その従業員の「半径10m以内の人間関係」にあるのだと分かってきました。
リクルート事件のせいでもなければ、会社の将来展望が見えないからでもないんです。
そうではなくて、「私はこの組織のためにここまで努力したのに、(半径10m以内にいる)自分の上司は全く私の仕事を見ていなかったのか」とか、「あの人(半径10m以内にいる自分の上司である課長)は結局、自分の出世のことしか考えていないやつだと分かったから」といった理由で、「ああ、もう辞めよう」と思い至るわけです。
人事を考えるときに、忘れてはいけない視点ですね。
半径10メートルか。確かにそうだな。
要は自分に責任がある場合が多い。
採用面接するときも必ずこの点注意してます。
答えのない課題に取り組む部下からすると、とても強力な道標になると思います。
「確かに!」と思いました。
普段、キャリア関係のテーマでディグラム診断していて思う事は
①自分のことが良く分からない。
②自分の言いたいことを言えない人が多い。
③近い周囲の情報や雰囲気に異常に敏感。
という事。
転職しよう(=環境を変えよう)という。
トリガーはこういうところにあるのかなと思いました。
「実は」がもっと言いやすい環境って大事だなと思います。
村井さんの仰る「退職理由の8割は『半径10m以内の人間関係』」、「私はこの組織のためにここまで努力したのに、(半径10m以内にいる)自分の上司は全く私の仕事を見ていなかったのか」とか、「あの人(半径10m以内にいる自分の上司である課長)は結局、自分の出世のことしか考えていないやつだと分かったから」という話は、調査結果とも符合しますね。
上司のインクルージョン(=“受容”と“活用”)が重要だという指摘は、実に的を射ていると思います。P&Gが進めている人材育成が以前に取り上げられていましたが、別途詳細に取り上げていただくと嬉しい。
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1997年に方針を発表し、1999年末に断行した、法定外の福利厚生制度の全廃は波紋を呼びましたね。
寮や社宅、扶養家族手当などをなくしたため、テレビで何度も取り上げられました。なんて残酷なというわけです。
従業員の奥さんからも、「利子補給制度があると聞いていたのに」とか、「新幹線通勤制度があると聞いたから伊東に家を買ったのに」など、多くの声をいただきました。
でも、「雇用される能力」、すなわちエンプロイアビリティを保証する会社を目指していた私たち人事部門からすると、いい社宅に入っていればエンプロイアビリティが高まるわけではない。
それよりも、社宅や寮などを維持するためのお金を従業員の能力開発に全部つぎ込んだほうが、エンプロイアビリティは上がる。
そういう信念に基づいて行動していましたから、ものすごい風圧はありましたが、一連の人事制度の変革を推し進められたのだと思っています。