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藤井聡太四段、経済学者と対談 ツェルメロの定理議論

朝日新聞デジタル
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  • 大阪大学 教授

    幸運にも藤井四段と対談する機会に恵まれた安田です。せっかくですので、紙面には載っていないこぼれ話を少々。

    藤井四段の思慮深さ・賢さには本当に驚かされました。ちなみに、「数え上げる数字が21から22に増えたらどうなるか?」というこちらの問いに、正解の「先手必勝」と即答されていました!(なぜそうなるのか、コメントの一番下に【解説】を載せておきます) 
    チェスのグランドマスターたちがバックワードインダクション(=ゲームを後ろから解くこと)に異常に長けている,というのは有名な話のようですが、藤井さんをはじめとしたプロ棋士の方々の読みは、チェスのトップ・プレイヤーと比べても遥かに鋭いかもしれません。

    「AIの影響でプロ棋士の指し手・戦法に変化が起きたか?」というこちらの質問に対しては、「雁木が良く指されるようになった」とのお答えを頂きました。
    敢えて王将をがっしりと囲わない「雁木囲い」は、攻めと守りを区別せずバランス良く指すことができるAIにとっては理想的な戦法である一方で、(思考能力に制限があって)攻めと守りを別々に処理する方が考えやすい人間の場合にはあまり指されてこなかったのでは?というその場で思いついた仮説を藤井さんにぶつけてみたところ、興味深そうに頷かれていました。
    この仮説の真偽は私には判断できませんが、
    1. 人間の思考パターンが限定合理性に左右されている
    2. ただ本人たちはその事実をほとんど自覚していない
    3. 人間のクセがAIの行動によって浮き彫りにされる
    というシナリオは、将棋以外にも、今後様々な領域で起きるかもしれません。


    【解説】[事実] 数え上げる数字が「21」個の場合には後手必勝。
    数え上げる最後の数字が「22」のとき、先手は最初に「1」だけ数えることで(残りのゲームを)
    ・数え上げる数字が「21」個で自分が後手
    にすることができる。よって上の[事実]から先手必勝!


  • エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所代表

    世界中の多くの行動経済学等の教科書で、すべての「二人零和有限確定完全情報ゲーム」は先手必勝か後手必勝か引き分けかのどれかに決まる、という定理をツェルメロが証明し、それを「ツェルメロの定理」と呼ぶと書かれていますが、近年の文献考証によって、それは間違いだったことがわかっているようです。

    http://www.math.harvard.edu/~elkies/FS23j.03/zermelo.pdf

    元ネタは、ツェルメロの1913年の論文で(上のリンクの最後に英訳が掲載されている)、おそらくツェルメロはチェスの千日手(スリーフォールド・レピティション)を想定していない形で定式化しているように思われます。誤解の原因は元論文がドイツ語で読める人が限られていて、大御所がそう紹介したから。

    しかし、有限手で勝敗か引き分けが必ず決まるルールになっていれば、「ツェルメロの定理」は「先手必勝」の存在可能性と「後手必勝または引き分け」の存在可能性が排反事象となるので、直感的にはそれほど難しいものではないと思います(多分)。

    例えば、五目並べは先手必勝で、6×6のオセロ(8x8以上は不明)、どうぶつしょうぎは後手必勝、三目並べは引き分けに必ず持ち込めることが分かっています。

    藤井四段の実感の通り、多くの場合将棋では先手が有利のようですね。チェスや囲碁ほど差は出ないようですが。もしかしたら量子コンピューターなどによって「先手必勝」が証明(あるいは発見)されるかもしれません。

    しかし、将棋おいて千日手の扱いは数学的にはかなり微妙な問題をはらんでいます。1997年に縫田光司氏が作成した「最後の審判」という詰将棋によって、現在の将棋連盟の公式ルールでは勝敗も引き分けかも確定しない状況が生み出せることが分かっており、その意味において現在の将棋ルールには厳密には「ツェルメロの定理」は適用できないと言えるかもしれません。

    将棋のルールは完璧か?:「最後の審判」が提起したこと
    http://lfics81.techblog.jp/archives/856823.html

    しかし、せっかくツェルメロの定理の話しをするなら、バナッハタルスキーパラドックス(1つの球を分解して同じ2つの球を作れる)を構築する集合論におけるツェルメロの定理(選択公理)についても語ってほしかったですね。


  • 醸造・発酵関係の会社 ゼネラルマネージャー

    藤井四段の回答がシンプルかつ本質的すぎて、記者と経済学者の安田さんが”目先の事に振り回されてる大人”に見える(笑)

    =============

     ――将棋ソフトも含まれますが、最近はAIの進歩も話題です。

     安田 今後、定式化した仕事がAIに置き換わることが予想されています。ホワイトカラーが書類を書くだけでなく、記者が記事を、学者が論文を書くこともそうなるかもしれません。

     藤井 AIによる仕事の代替は進むのでしょうが、産業革命の頃からそうした代替は行われてきたので、そんなに心配はしていません。


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