【環境問題】タンパク質で解決に挑む。Spiberが作る未来
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スパイバーが拠点とするのは、美しい田園風景が広がる、山形県鶴岡市。
隣接する、慶應義塾大学先端生命科学研究所では、スパイバーの他にも様々なバイオベンチャーが誕生しています。研究と事業が共存し、還元しあえる環境は、産学連携・アントレプレナーのひとつの理想形かもしれません。
代表の関山さんいわく、良い影響があるのは研究面だけではないそうです。
”こういったスパイバーのカルチャーは、大学時代に所属していた冨田研究室のカルチャーですね。
深く思考してシステムを決めたり変えたりしていくところもそうですし、冨田研究室もスパイバーもすごくフラットな組織なんです。誰でも、文句がある場合は対案さえ持っていけば天秤にかけてもらえて、そちらの方がよければその案が採用される。とても合理的なんですよね。
他にも、冨田研究室には「自分がどういう価値を生み出せる人間か」を自分で考えて、「こういうことがしたい」という要望がある人に対して惜しみなくリソースを割いてくれる環境があります。こういったカルチャーもスパイバーは引き継いでいますね。”
あらゆるものをブラッシュアップしていける環境と文化は、技術の進歩を加速させるはずです。スパイバーの作った人工クモの糸や、様々な特性のタンパク質を作る技術が「材料」や「資源」の在り方を革新する日は、そう遠くないでしょう。”関山:天然のクモの糸は、タンパク質でできていますが、このタンパク質は、20種類のアミノ酸によってできています。
この20種類のアミノ酸の並ぶ順番が変わることで、ウールやカシミア、人間の髪や皮膚などさまざまなものになります。
この設計図が書き込まれているのがDNAで、私たちはアミノ酸配列と遺伝子配列のデータを解析からはじめ、新しいタンパク質の分子をデザインし、その遺伝子を合成し、微生物を用いた発酵培養によって人工タンパク質を製造しています。そして、その微生物の餌となるのは糖だけです。”
微生物と糖だけで糸が作れるとなると、綿花や羊を育てるよりも資源が少なくて済むし、動物愛護者にもウケそうに思います。
本当に様々な人が待っている素材だと感じました。タンパク質(20種類のアミノ酸)で出来ている人工クモの糸。資源問題、環境問題を解決する画期的な発明です。山形県鶴岡市の田園地帯にある会社「Spiber株式会社」へ行って、代表の関山和秀さんにインタビューしてみたい。