日本の円安志向が危険な「習慣病」である理由
コメント
注目のコメント
かなり丁寧に正論が描かれていると思います。昨年来観測されているように、本当に為替と株の相関が切れているのであれば(そしてもともと関係なかったのだという一部の説を支持するのであれば)、資源輸入国の日本にとって円高の方がメリットが大きいのは目に見えています。それでもそのような社会規範が拡がらないのは「円安&株高」をセットで理解しようとする執着が歴史的に染みついているからでしょう。習慣病、とはよく言ったものです。
2015年時、アベノミクスにおけるドル/円の最高値(125.86)を記録した時のことを思い返せば分かりますが、企業経営者だけではなく永田町方面からも「これ以上は危うい」という情報発信が目立ちました。
無条件に円安を支持し続けると、それは結局金融政策の独立性を奪う(半ば奪われているという意見は脇に置いたとして)ことになり、先進国の通貨・金融政策として疑義が生じるという基本的な議論も頭に起きたい所です。このタイミングで円高が進めば、春闘の交渉には確実にマイナスでしょう。また、ある程度円安にならないと、日銀の金融政策の正常化もおぼつかないと思います。ただ最悪なのが、円安じゃないのに拙速な出口に向かってしまうことですけど。
本文には書いてなかったですが、私は「習慣病」という言葉に「メタボ」を連想してしまいました。「円安=メタボ」って表現すると、なかなか面白いと思いました。ところで、そもそも円安の本質的メリットをご存じない方が多いのではないか?と思います。経済学的には、円安のメリットとは、人件費(≒日本人)が実質で下がること以外にはメリットはほぼ無いんです。
日系グローバル企業にとっては、円安=賃下げなんですね。だから企業の収益率が上がるのは当然です。でも、それを多くのサラリーマン日本人が安易に支持するのは、本当は「賃下げを喜ぶ」事なのであり、滑稽と言わざるを得ないんです。
毎日甘いケーキ(円安)ばかり食べられる生活に日本人が慣れきってしまい、気がついたらメタボになってて身動きが取れなくならないように、サラリーマンな日本人には目覚めて貰いたいものです。