【第2週 予告】花まる学習会の高濱正伸を育んだ苦悩と悦楽

2018/1/13
先週までのあらすじ
「メシが食える魅力的な大人を育てたい」との信念から「花まる学習会」を設立した高濱正伸氏の半生。

熊本県で生まれた高濱氏は、勉強のできる姉と容姿の良い弟にコンプレックスを抱きながらも、母親の愛情に包まれて育つ。

小学生のとき、2人の先生の言葉によって、積極的で勉強好きな子どもになった。

だが小5でいじめに遭い、人生に絶望する。母親が「あんたが元気なら良かとよ」と抱きしめてくれ、家にいる間だけ、つらさを忘れられた。

ある日、思い切って自虐ネタをみんなの前で披露し、いじめがピタリとやんだ。自力で乗り越えたのだった。

中学生になり、思春期に入ると、日記をつけ始めた。もやもやした思いをすべて吐き出し、本当の自分を見つめ続けることで、確たる芯ができていく。

孤独な中学時代

限界を突破した成功体験が自信になる
中学校の成績はずっと1番。でも、最初の頃は苦しんでいました。もう1回いじめに遭ったんです。
小5のときのいじめを克服した経験から、いずれ必ず友だちに戻れるという自信があって、こちらから歩み寄ることはしなかった。
悲しくもつらくもないけれど、孤独でした。

第二の母のような彼女

高校生の私を大人に育ててくれた彼女
高校での生活は、野球と彼女、この2つだけです。勉強はそっちのけでした。
この彼女は、私にとっては第二の母といっていい存在。本当にその人に育てられ、人生を教えてもらいました。

「やればできる」が3浪

東大3浪。パチンコ、女、マージャンにハマる
数学のテストの点は0点だったんですよ。けれど、「お前はやればできる」と言われて。
最終的に東京大学理科Ⅱ類へ進学するのですが、結局、3浪しました。
要はやる気にならなかったんですね。

禁欲の反動

東大4留。感動を知ると、くだらないことをしなくなる
東大に入学したときは、「これから勉強するぞ」と意気込んでいたのですが、受験勉強に費やした禁欲の1年間がいけなかった。
入学するとすぐに合コンが始まるじゃないですか。4月のうちは、「行かない、私は勉強するから」と言っていましたが、駄目でした。

私の「哲学時代」

生きるって何だろう、働くって何だろう
私の人生の中で、この1年は「哲学時代」と位置付けられています。
そこで、ほぼ全てのことは考え終わりました。
花まる学習会で今やっていることは全部、そのときに考えたことに従ってやっているだけなんです。
1年間考え続けたら、木が私に語りかけてきました。「んー」と声がして、「うおー、こいつ、しゃべっているわ」と驚いた。

死ぬかと思った

10カ国語を勉強、無理がたたってパニック障害に
地の底から音がする感じがしました。
これはやばい、地震だと思って、私が走って教室の外に出たら誰も追ってこない。
トイレに行って鏡を見たら、顔が青くて土色。しかも心臓がドキドキドキドキドキってやたら速く動き始めた。
これは死ぬかもしれないと思った。

高校生を教える塾講師から転換

子どもの教育は最高。「マンマン」兄さんの感動体験
大学受験生を教える塾の講師をしていました。
慶応大学専門です。今、タクシー大手の日本交通で会長をしている川鍋一朗くんも教えました。
転機になったのは、幼稚園児のお泊まり保育を実施しているキンダーという会社で始めたアルバイトです。
連載「イノベーターズ・ライフ」、本日、第8話を公開します。
(予告編構成:上田真緒、本編聞き手・構成:織田 篤、撮影:遠藤素子、バナーデザイン:今村 徹)