【松岡正剛】知の巨人が語る、「日本はいつも作り直してきた」

2018/1/1
テクノロジーが加速するグローバル化を前に、立ちすくむ日本。
国内では、「日本すごい論」がいまだに幅を利かせ、国外では「ガラパゴス」と呼ばれたビジネスが世界の壁を超えられず、挫折を繰り返す。
グローバルでも、ガラパゴスでも前には進めない。
「知の巨人」として知られる松岡正剛は、世界とのインタラクションの中で、日本が古来から培ってきた「方法」を生涯かけて解き明かしてきた編集工学者だ。
千葉雅也氏や、落合陽一氏、ドミニク・チェンら若手のリーダー、論客もリスペクトする松岡氏は今、「日本」をどう問い直しているのか、巨人が見る未来への眼差しを聞きに伺った。

置き去りにされたデュアル

──今、松岡さんは、日本の読み解き方を「デュアル」というキーワードで表現されていますね。
これまでの日本史観では、天皇と将軍の二重統治性や、公家と武家が併存していたことについて、「ダブルスタンダード」と見てきたんですが、僕はそこを「デュアル」に見た方がいいと思っています。