焦点:ブロックチェーン技術、エネルギー市場を大変革か
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電源が分散化され,電気の流れが双方向になったとき,その管理記録も中央集権からブロックチェーンのような分散型台帳になるでしょう.
たとえば,私は再生可能エネルギー源からの電気しか買わないと宣言した場合,発電源から送配電履歴を記載したブロックチェーンによって,要求仕様に適合した電力購入が可能となります.化石燃料や原発の電力を再生可能エネルギーからの電力と偽って販売することは,履歴を改ざんすることが不可能なブロックチェーンを利用することで起こらない.電力取引の民主化と言えるかもしれない.電源の多様化だけでなく、蓄電池の普及も送受電の双方向化を促進するから、ブロックチェーンとの相性はさらに良くなる。スマートメーターもこれを想定したスペックだったらよかったのに。
自由化や技術開発で細分化が進むエネルギー市場の業界構造変化・進化の促進にブロックチェーン技術が相性良さそうなことは認めるところですが、エネルギー自由化が問題なく進められるかのポイントは「低コストでの蓄電を実現する技術の進化」によるところが大きいと思います。
電力会社は基本、電力を貯蔵しない(できない)のが基本方針です。「同時同量の原則」というやつです。地域内の電力の需要と供給量を常に一致させておかないと、電力が不安定になるためです。現状の蓄電技術では莫大なコストがかかりますので「有事のために大量に蓄電しておけ」とは気軽に言えません。
エネルギー安全保障は自然災害大国である日本においては深刻な問題ですが、自由化が進んで提供サイドが細分化されるほど各社は投資余力がなくなり、有事の際の大停電被害拡大リスクはむしろ高まります。経済的にも、寡占市場において新規プレイヤー企業が参画しているわけで、根本的に市場が伸びているわけではないので。(国家や大企業の投資はあるかもしれませんが。)
自由化が進むこと自体に悲観的ではないのですが、ブロックチェーンは関連情報を管理する分散台帳技術に過ぎません。
エネルギー問題のイシューは、それとは全然別のところにあることは、理解しておく必要があります。