宅配が切り拓くフードビジネス最前線

2017/12/20
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
20日は、船井総合研究所の堀部 太一(ほりべ・たいち)さんが出演。
堀部さんは、ご実家が京都の懐石料理屋さん、母方が農家、という食に囲まれた環境に育ち、大学卒業後、コンサルティング会社の船井総合研究所に入社。徹底した現場主義のコンサルティングで、多くの企業・飲食店から支持されています。今日は、「人手不足に切り札?宅配ロボットが『ゆうパック』配達―郵便局など実験」(インターネットコム)を題材に、フードデリバリーの現状と課題についてお話頂きました。
POINT 1:
宅配ロボットが人手不足を解消する?
宅配サービスは、需要とともに競争が激しくなり、いまや衣料品だけでなく日用品、食料品までもがネットで購入されている。注文数が増加傾向にあるいま、問題となっているのは配送業の人手不足だ。そこで日本郵便は、人手不足の解消に向け、宅配ロボット「CarriRo Delivery(キャリロデリバリー)」を導入し、ロボットが荷物を配達する実験を予定している。
「今年、『宅配クライシス』という言葉が話題になりました。
配達機会の増加に伴い、配達員の人件費が高騰しています。今後は、人に依存せず、配達をスムーズにできるかがポイントになります。
宅配ロボットを導入すると、適切な時間に配達できるため、増えている再配達の問題を解消できるようになります」(堀部さん)
POINT 2:
「50分の壁」を解消する

「堀部さんは、フード分野に精通していますが、フードデリバリーでも配送ロボットは活躍できますか?」(サッシャさん)
「フードデリバリーでは、まだ早いと考えています。一回の利用で数百円の配達をした場合、1時間あたりの売上げは5000円前後です。配達員の時給はかつては800円ほどでしたが、いまは2000円くらいまで高騰しています。サービスが充実し、以前よりも需要は増えたものの、注文を受けた飲食店は儲かりにくいのが現状です。
また、フードデリバリーは、注文して届くまでに50分以上かかると注文率が下がる『50分の壁』があります。日用品と違い、いち早く届けることが重要です。注文から到着までのスピードを考慮すると、ロボットに投資するよりは、早く配達ができるプラットフォームを確立させることが最優先」(堀部さん)
POINT 3:
2018年のフードデリバリーは成長フェーズ
「今後、フードデリバリーはどうなるでしょう?」(サッシャさん)
「2つのプレイヤーの組み方がポイントです。
1つ目は、先ほど話した配送プラットフォーマー。いち早く届けられる配送プラットフォームを作れるかどうか。ここは楽天やUberをはじめ、様々な企業が参入しております。
2つ目は、飲食店。そもそも飲食店はイートインで食べて美味しいものを提供しているため、デリバリーで配送に時間がかかると味が落ちてしまいます。そこで、配達時間を考慮したレシピ、メニューを開発できるかがポイントになります。
また、今後は実店舗を持たない飲食店が出てきます。実店舗を持つと売上げを立てにくい専門店が、強みを活かして、売上げを確保できる。様々な専門店を1つのキッチンで展開することで、売上げを立てられるので、より早く届けられる Uber Eatsや楽天デリバリーなどの配送サービスを組んでいきたいと考えがある。
今年はデリバリーフード元年。来年は、急速で成長していくのではないでしょうか」(堀部さん)
今回のニュースをはじめとした堀部さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
12月21日は、スマイルズ代表の遠山 正道さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください