この連載について
日本が右肩下がりで衰退していった「平成」が終わろうとしている。もはや「昭和モデル」「平成モデル」にとらわれてはいけない。では、「ポスト平成」はどんな時代になるのだろうか。人間・仕事、テクノロジー、経営、日本、世界の視点から100人の智者が、2018年以降の未来を予測する。
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日本のような平等社会を実現するには、ノブレス・オブリージュの概念が浸透していなければなりません。しかもかつての日本人は中流階級にまで、その意識が行きわたっていました。国家を信頼していたからです。
ところが中国の場合、国家に対する信頼もなく、ノブレス・オブリージュすなわち自己犠牲の精神もないので、高所得者たちは海外に資産を移転させるでしょう。
となれば貧民層を中流に引き上げる財源に事欠き、公共投資も滞ることになります。
つまり「社会主義現代化強国」を実現するには、中国人のメンタリティを根底から変えていかねばなりません。
それが不可能に等しいことは言うまでもありません。
外交については、大国主義的な横柄な態度が周辺国に警戒心を抱かせています。
しかし国民に対しては、強気な姿勢が受けるので、そうせざるを得ない状況です。
もう日本は騙されないので、表面的には握手しながら、米国と共に着々とインド海から大平洋までの安全保障政策を進めていくべきでしょう。
日本の次期政権も安倍政権の外交路線を継承していけば、20年後の日米両国の勝利は見えています。
「先に豊かになった者から豊かになれる」改革・開放時代は、南東沿岸部とそれ以外の地域、都市と農村、新たに生まれた階層の間の格差を広げました。政府も手をこまねいていたわけではなく、西部大開発などで地域間の格差を縮小しようとし、農村の産業を振興してきました。それでも、階層間の格差の拡大は続いているし、教育なども、私立学校などで金がかかるようになり、格差の是正は追いついていない印象を受けます。
習近平政権は、社会保障制度を整備するなどして、再配分の仕組みを整備する意思があるように見受けられます。しかし、所得税や相続税の確保といった税収確保の余地は先進諸国に比べると大きいと思われ、そのような財源がなければ再配分を拡充することもできないでしょう。
またこれから10年後〜20年後には、一人っ子政策の弊害として、少数の労働人口が多くの高齢者を支えなければならない過分数型の人口動態になっていくが、この問題も中産階級を圧迫し、経済成長の障害になる。
こうした事態が現実化してしまうと、短期的には有効な手立てのない深刻な構造問題になってしまうので、今のうちに早急な対策が必要である。
その手立ては、社会主義国家の原点て立ち返って、“十分な再分配”を行い、格差と貧困問題を解消し、社会と民心を安定させることに尽きるつ考える。
鄧小平の南巡講和から25年、社会主義による経済の構造的沈滞から脱却するという目的は十分に達成したとして、これ以降は市場主義的経済の弊害である格差問題を大イシューとしての取り組みが、持続的な発展の鍵となろう。
格差是正にどのように取り組むのかに注目です。