経済学が証明するアベノミクスの"正しさ" - アメリカの「お金の入門書」に学ぶ
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「残念ながらアベノミクス――中でも日銀の量的質的緩和――は、いまだにデフレを克服して2パーセントのインフレに持っていくところまではきていない。2017年7月、日銀の黒田東彦総裁は2パーセント実現の目標をさらに先送りにして2019年にしている。これを見て、アベノミクスは失敗だ、効果があがっていないという論者もたくさん出ている」
私もその一人でしょう。
「雇用状況はそこそこ改善しつつある…その意味で、金融緩和の効果は着実にあがっている。」
こういう人で異次元緩和がどのように雇用に波及したか、メカニズムを説明する人はいません。
「日本経済の潜在的な生産能力が思ったより高くて、経済回復とともに、これまで働いていなかった人も働き始めた、というのが大きいようだ。世の中、物価の大半は賃金だ。だから賃金がもっと大きく上がらないと明確なインフレにはならない。でも、労働者が増えるとその分だけ賃金の上がり方も遅くなって、インフレが起こりにくくなるようだ」
経済が回復するということと個人の働きたいという事情は違います。景気が回復したから急に働きたくなったわけではないでしょう。働き口ができたから働くことにしたのでしょうが、それは生産年齢人口の減少によってチャンスが回ってきた考えることができます。皆、元々働きたかったわけで、賃金は上がっていませんから、賃金が上がったから働いてもいいと考えて働き始めたのではなく、従って景気回復で雇用が改善したというのは難しいでしょう。
マネタリーベースを増やせば速やかに期待インフレが起こり景気回復に向かう、と全く経済学が保証しない「リフレ」なるものが、アベノミクスあるいは異次元緩和で採用されましたが、やはり現実に起こらなかったことは証明されたと思います。
雇用の生産年齢人口の減少の影響を考慮すれば、アベノミクスをリーマン前と比べると、ほとんど変わらないかやや悪いくらいの評価になると思います。ほとんど変わらないものを成功と評価できるのはどうしてなのか理解できません。現実を正しく認めなければ、どうすれば良いのか正しい議論をすることを難しくします。アベノミクスは、何らかの経済理論を証明する実証実験ではないから、全ては結果としての政策効果の大きさや正しさで評価すべきだ。
問題なのは、結果評価の基準となる目標値やその定義、算定方法があいまいで、かつ、そもそも目標値の絶対性を否定するから、客観的評価ができなくなっていることだ。
ひとつひとつの定量的目標値が達成できたかどうかで評価すべきだが、それができていない。だから政治的議論や感情論を持ち込み神学論争にしたい向きに容易にご混乱されてしまう。