[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米国株式市場は主要株価3指数がそろって過去最高値を更新した。法人税減税を含む米税制改革の実現への期待を追い風に、幅広い銘柄に買いが入った。

税制改革法案に反対を表明していたルビオ、コーカー議員がこの日、支持に回る意向を示したことを受け、議会通過の可能性が強まった。税制改革が実現すれば、法人税率は現在の35%から21%に引き下げられる見通し。議会共和党は同日、税制改革法案の最終案を公表する。

アメリプライズ・ファイナンシャルの首席市場ストラテジスト、デイビッド・ジョイ氏は、法人税減税について「自社株買いの加速や配当引き上げなどにつながる可能性があり、とりわけ株主にとり意義深い」としたほか、消費者心理の押し上げなどにもつながる可能性があるとの認識を示した。

コーカー議員が賛成票を投じる意向を示したことを受け、S&P総合500種は1%上昇。ただ、最終案の発表を控えた警戒感から、その後は上げ幅を縮小した。

週間では、S&P総合500種とダウ工業株30種は4週連続で上昇。ナスダック総合は過去3週間で初の上昇となる。

S&Pハイテク、S&Pヘルスケアが上昇を主導し、それぞれ1.24%、1.17%上昇。S&P金融も1.04%高で終了。

この日下落したのはS&Pエネルギーのみで0.03%安。

S&P主要消費財は1.12%高。会員制倉庫型ストアのコストコ・ホールセールが好決算を追い風に3.7%上昇し、同セクターの上げを主導した。

米鉄道輸送大手CSXは7.6%安。同社の再建計画を指揮してきたハンター・ハリソン最高経営責任者(CEO)が突然、医療休暇に入ったことが嫌気された。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回り、比率は2.24対1。ナスダックでも2.32対1で値上がり銘柄数が多かった。

この日は株価指数先物、株価指数オプションなど4つの取引期日が重なるクアドラプル・ウィッチングにあたったことで、商いは活況となった。米取引所の合算出来高は約107億株と、直近20営業日の平均である67億3000万株を大きく上回った。

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